2025.10.27 ADI、CEATECでオーディオ用DSPを訴求 鹿島の立体音響スピーカー「OPSODIS 1」に採用

多くの来場者でにぎわうADIのブース=幕張メッセ

OPSODIS1も関心を集めたOPSODIS1も関心を集めた

 米アナログ・デバイセズ(ADI)は、17日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「CEATEC 2025」に初出展し、オーディオ向けDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)や電源技術を紹介した。会場では、同社のDSP「SHARC」が採用された鹿島の立体音響スピーカー「OPSODIS 1(オプソーディス・ワン)」が注目を集めた。

 OPSODIS 1は、鹿島が英国サウサンプトン大学と共同開発した立体音響技術「OPSODIS」を搭載した小型スピーカー。長年にわたり著名な音楽ホールの設計や建設を手がけてきた同社の知見を生かし、臨場感のある音響空間を再現。会場のADIブースでは体感デモが行われ、多くの来場者が没入感のある音場を体験した。

 同製品は2024年6月にクラウドファンディングで販売を開始。好評を受けて販売プロジェクト期間を2025年5月末まで延長し、現在も順次生産・発送を進めている。

 採用されたADIのDSP「SHARC」は、デジタルオーディオ処理やノイズキャンセリング、音声解析などの高度な信号演算を得意とする。高速演算と低遅延処理により、高音質・高精度のサウンド再生を実現。OPSODIS 1では、360度方向に音を届ける立体音響を可能にし、従来のステレオ再生の常識を覆す新しいリスニング体験を支えている。