2025.10.27 キヤノン、通期で過去最高売上へ 米関税影響で利益予想を下方修正
キヤノンは27日、2025年12月期第3四半期の連結決算を発表した。通期では2年連続となる過去最高の売上高を見込む一方、米国による追加関税の影響などを織り込み、営業利益と税引き前当期純利益の見通しを前回公表から下方修正した。
1〜9月の累計売上高は前年同期比2.1%増の3兆3029億円で、2年連続で過去最高を更新した。販売、生産、メディカルの三つの構造改革が順調に進み、増益基調を維持。営業利益は同1.9%増の3024億円、純利益は同0.5%増の2196億円となった。
事業別では、プリンティングが米国関税や欧州・アジアでの需要先送りの影響を受け、売上高は同1.1%減。商業印刷向けのカットシート機が好調に推移し、ITソリューションも増収となった。オフィス複合機では15年ぶりの新シリーズ「imageFORCE」が堅調に受注を伸ばしている。
メディカルは、日本や欧州で投資の先送りが見られる中、全体では微増。販売強化を進める米国市場は同4.7%増収となった。イメージングは、中国・アジアを中心にミラーレスカメラのエントリーモデルが好調で、ネットワークカメラも市場拡大が続き、全体で同10.1%増と2桁成長を達成した。
インダストリアルは、AI(人工知能)需要の高まりを背景に半導体露光装置の販売が堅調だった。
通期連結業績見通しは、売上高を前年比2.4%増の4兆6160億円とし、過去最高更新を目指す。一方、営業利益は米国追加関税や投資先送り傾向を反映し、前回予想を引き下げて4510億円(前年比1.4%増)とした。第4四半期の想定為替レートは1ドル=150円、1ユーロ=175円とし、前回より円安を見込む。





