2025.10.28 KDDI、大阪・堺の「AIデータセンター」2026年1月始動 大規模水冷設備と再エネ100%で競争力強化へ
大阪堺データセンターのイメージ(出所:KDDI)
KDDIは28日、堺市堺区の旧シャープ堺工場跡地に新設する「大阪堺データセンター」を2026年1月下旬に稼働開始すると発表した。最新世代AI(人工知能)サーバーを搭載し、水冷方式・再生可能エネルギー100%使用など先端設備を整備し、日本国内の産業デジタル化とAI推論基盤の強化を狙う。
KDDIは、2025年4月に取得した同工場跡地を活用して、延べ床面積約5万7000㎡・地上4階建ての大規模施設を構築する。新施設では、冷却・電力供給設備を再利用し、約30年にわたって同社がデータセンターで蓄積してきた構築・運用ノウハウを投入する。
水冷方式の一種である「直接液体冷却(Direct Liquid Cooling)」を採用し、従来の空冷方式を上回る冷却効率を実現。最新世代AIサーバー「NVIDIA GB200 NVL72」等の高性能GPUを安定稼働させる環境を整える。
さらに、法人向けにGPU(画像処理半導体)を提供するとともに、パートナー企業との協業を通じて、オンプレミス(社内運用)型のAIサービスも展開する予定。米グーグルの生成AIモデル「Gemini」を国内で安全に運用する環境づくりの拠点となる。
国内運用拠点として、データの保管・処理・運用が自国の規制のもとで行われ、国外の政府や企業の影響を受けない「ソブリン性」を確保。監視カメラ映像や企業の秘匿データなど機密性の高い情報も安心して預けられる環境を整備した。ネットワーク面でも、KDDIグループの広帯域インターネット回線や全国のデータセンター、モバイルネットワークと連携して多様なデータを集約し、学習・推論処理を高速化する設計とした。
環境面では、再生可能エネルギー由来の電力を100%利用する方針を示しており、旧工場跡地の有効活用を目的とした再開発も兼ねておりサステナビリティー対応にも配慮した。






