2025.10.29 防衛分野とサービスがけん引、利益大幅増 通期予想を上方修正 NEC、26年3月期第2四半期
NECが29日発表した2026年3月期第2四半期(25年7~9月)の連結決算は、国内ITサービスと航空宇宙・防衛分野の好調を背景に大幅な増益となった。上期(4~9月)の売上高は前年同期比5.6%増の1兆5698億円、調整後営業利益は同115.6%増の1316億円、ノンギャップ営業利益(Non-GAAP)は96.6%増の1275億円に拡大した。
好調な業績を受け、通期の業績予想を上方修正した。ノンギャップ営業利益を従来の3200億円から3400億円へ引き上げ、売上高も3兆4200億円とした。通期でもITサービスと防衛分野の伸長を見込み、収益基盤のさらなる強化を図る。
藤川修CFO(最高財務責任者)は「ITサービスと防衛関連が想定を上回る伸びを見せた。構造改革と事業ポートフォリオの最適化が着実に成果を上げている」と説明した。
主力のITサービス事業は、国内のパブリック分野が引き続き好調で、法人向けの「BluStellar(ブルーステラ)」がけん引した。上期の売上高は前年同期比2.6%増の1兆1083億円、調整後営業利益は同593億円増の1156億円となった。ブルーステラ単体の売上高は19.8%増の2880億円、営業利益は261億円増の396億円に拡大し、収益性が大幅に改善した。
海外では、スイスに本社を置く金融機関向けのソフトウエアを手がける子会社のAvaloqの収益性改善などにより増益を確保。国内ベース事業は法人向けパソコン販売機能移管の影響で減収となったものの、利益率は改善した。
社会インフラ事業も堅調で、売上高は15.1%増の4030億円、調整後営業利益は168億円増の286億円となった。中でも航空宇宙・防衛分野は大幅な受注拡大により、営業利益が前年同期の54億円から134億円に増加。テレコムサービスは3.2%減収となったものの、費用効率化で増益を確保した。




