2025.10.30 米エヌビディア、ノキアに1500億円出資 「6G」 普及で提携
ノキアとエヌビディアがAI‐RANで協業
フィンランドの通信機器大手ノキアと米半導体大手エヌビディアは28日、次世代通信規格「6G」向けAI(人工知能)‐RAN(無線アクセスネットワーク)の普及促進で提携したと発表した。これを機にエヌビディアは、10億ドル(約1500億円)をノキアに出資してAI‐RANのグローバル展開を支援する。
今回の戦略的提携によると、ノキアがエヌビディアの6G対応コンピューティング・プラットフォーム「ArcAerial RAN Computer」を自社のAI‐RAN装置に搭載。世界市場でAI‐RAN装置の普及を図っていく。RANは、スマホなどの端末から送信された電波を通信事業者のコアネットワークに移す役割を果たす。ノキアが、エヌビディアのAI搭載の6G対応通信プラットフォームを搭載したRANを商品化する。
ノキアとエヌビディアの提携は、モバイルAIトラフィックの爆発的な成長を支援。新しいAIサービスの提供と消費者体験の向上を実現する。
両社の提携に合わせてデル・テクノロジーズも、新しいAI‐RANソリューションを実現するサーバー「PowerEdge」を供給していくことになった。
今回の提携に伴い、エヌビディアは10億ドルをノキアに投資。通信事業者がエヌビディアの通信プラットフォーム上で、AIを搭載した5Gの進化版「アドバンスト5G」や6Gの通信網を構築できるようにする。
TモバイルUSは、26年にエヌビディアのプラットフォームを利用して、6Gサービスに向けたフィールド実証実験を行う。
AI‐RAN市場は、世界的に急拡大しており、米調査会社オムディアは2030年までには累計で2000億ドルの市場規模と推定している。
ノキアのジャスティン・ホタードCEOは、今回の提携について「テレコム分野における次の大きな飛躍は5Gから6Gへの単なる移行ではない。AI-RANの革新によりAIをデータセンターから各自のポケットへ取り込むことにある」とコメントしている。









