2025.11.04 キヤノンMJ、富士通全拠点に映像基盤を統一 クラウド型「VisualStage Pro」で運用効率化、グローバル標準化へ
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、富士通の国内約300拠点でクラウド型映像プラットフォーム「VisualStage Pro powered by Arcules(アーキュリーズ)」の本格運用を開始した。まず国内拠点から順次展開し、将来的には国内外の富士通グループ全体でオペレーション標準化を図る。
同プラットフォームは、既存カメラをそのまま活用し、ブラウザー上で現場映像を時間・場所を問わず確認できるクラウド型映像管理サービス。マルチベンダーカメラに対応し、ゲートウェイを介してクラウド上で安全に映像を管理。モバイルアプリやウェブポータルから、いつでもどこでもモニタリングできるのが特徴だ。
特別なITスキルを必要とせず、専用ソフトのインストールも不要で、パソコン(PC)から即時アクセスできる。複数拠点に分散するデバイスや映像を統合的に管理できるほか、カメラだけでなくIoTデバイスや設備センサーの情報も一元的に扱える。国内外で2万機種を超えるカメラとの接続をサポートしている。
多拠点で事業を展開する企業では、拠点ごとに異なるシステムが混在し、運用の標準化やデータの横断的な活用が課題となっている。富士通は、約11万人の従業員を擁するグローバル企業として、経営から現場までデータドリブンな意思決定を推進する「OneFujitsu」プログラムを展開。事業所や地域を越えたDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を進めている。
しかし、従来のネットワークカメラ映像基盤は拠点ごとに個別管理されており、担当者の業務負担が重く、運用効率が課題だった。これを受けて富士通は、既存の約3000台のカメラを生かし、10月からVisualStage Pro powered by Arculesによる本格運用を開始した。
導入を担当した富士通総務本部ファシリティマネジメント統括部の小野啓氏は「ソフトウエア更新業務の工数削減や簡素化が図れ、既設カメラの継続利用が可能であること、さらにAPI連携機能により将来的に他サービスと映像を連携できる拡張性が導入の決め手になった」と説明する。
今後は海外拠点への展開も視野に入れ、グローバルレベルでのビジネスオペレーション標準化を進める構えだ。






