2025.10.16 キヤノンMJ、カラーラベルプリンター戦略モデルを投入 需要多様化に対応、新インク採用で高画質・高速印刷

新製品の発売の狙いを話す小森部長

デモの模様(左がLX-D400、右がLG-P800)デモの模様(左がLX-D400、右がLG-P800)

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、消費者ニーズの多様化や商品サイクルの短期化に対応するため、カラーラベルプリンターの戦略モデル2製品を10月中旬から順次発売する。新開発の顔料インクを搭載した8インチモデル「LG-P800」と、13年ぶりに刷新した高速印刷対応の4インチ染料モデル「LX-D400」を投入し、拡大する国内市場でのシェア拡大を目指す。

 同社は14日に新製品のメディア向け内覧会を開催。プリンティング企画本部インクジェットプリンタ企画部の小森祥秀部長は「ラベルプリンターの国内出荷は堅調に推移しており、多品種・小ロット化が進む中で、外注・内製化など柔軟な対応が求められている。今回の新製品は商品力に優れた戦略モデルとして市場拡大を狙う」と語った。


 ラベルプリンターの国内市場は年率約5%の成長が続き、出荷規模はモノクロ機約50万台(年間10万台)、カラー機約1万台(年間2000台)と推定されている。製品サイクルの短期化で新商品が次々と登場する中、消費者の目を引くラベルの重要性が増しており、企業にとって高品質な印刷環境の整備が急務となっている。


 新モデルのうち、LG-P800は新開発の顔料インクを採用し、高精細・高画質な印刷を実現。光沢紙や合成紙、光沢フィルムなど多様なメディアに対応し、LabelCreate SEなど各種デザインソフトと連携できる。擦過性や耐水性にも優れ、GHSラベルなど過酷な環境下での使用にも耐える。


 一方、LX-D400は毎秒330mmの高速印刷が可能で、短時間で大量の印刷業務に適する。オプションのRFID(無線周波数識別)ユニットを組み合わせることで、印刷と同時にデータの書き込みも行え、物流や製造現場での作業効率向上に寄与する。


 LG-P800は10月中旬に発売、LX-D400は12月発売予定。いずれもオープン価格で、参考価格はそれぞれ税別55万円、70万円。企業の生産性向上とラベル印刷の高付加価値化を後押しするモデルとして期待がかかる。