2025.11.07 英国の25年BEV登録台数 10か月で昨年抜く 業界団体は今後の施策に警戒感

SMMTのマイク・ホワーズCEO

充電設備の整備とともにBEV台数も着実に増加(写真はイメージ)充電設備の整備とともにBEV台数も着実に増加(写真はイメージ)

 英国自動車製造・販売者協会(SMMT)が5日発表した10月の国内新車登録台数は前年同月比0.5%増の14万4948台。電池駆動車(BEV)が大幅に伸びる一方で、ディーゼル車やガソリン車が落ち込んでいる。

 10月の動力源別登録台数ではBEVが前年同月比23.6%増の3万6830台、ハイブリッド車(HEV)が2.1%増の1万9250台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が27.2%増の1万7601台。EV(電気自動車)関連が順調に伸びるのに対し、6万4360台のガソリン車は11.6%, 6907台のディーゼル車は22.9%、それぞれ下降した。

 10月の全新規登録台数に占めるBEVの比率は25.4%となり、英国政府が定めるゼロ排気車(ZEV)目標28%にはまだ及ばないものの、今年になって2番目に高いシェアとなった。

 BEVの25年10か月間の累計登録台数は38万6244台、24年の年間登録台数を追い抜いた。今年10月までの合計に対するBEVのシェアは28.9%の段階にまで到達している。

 SMMTは25年の新車登録台数を212万台と予測。コロナ禍前年の19年以降、初の200万台超えを期待している。

 SMMTのマイク・ハワーズCEOは「政府はEVに関して優遇策などで自動車業界を支援してきた。しかし26年10月以降予想されるECOS(従業員自動車保有制度)の廃止は自動車市場成長の機会を奪う可能性がある」と計画の廃止を訴えている。税制面で特典があったECOSだが、廃止後は社用車と同様に課税する制度で、ECOS廃止はBEV需要に大きな打撃を与えるというのがSMMTの言い分だ。