2025.11.14 研究情報基盤高度化ソリューション群を提供 NEC、オープンサイエンス推進へ

研究情報基盤の高度化を通じて提供する価値

 NECは14日、オープンサイエンスの潮流を背景に、大学等の研究機関向けに研究情報基盤の高度化を実現するソリューション群の提供を始めた。研究データの生成・解析・集約・管理・公開・利活用という一連のプロセスを効率的かつ確実に進めるため、「超高速データ転送システム」「HPC来歴管理システム」「データカタログ・ポータルシステム」「リモートリソース活用システム」など複数のソリューションを統合して提供する。今後3年間で40億円の売り上げを目指す。

 多くの研究機関では研究データの管理・保管・利活用に関してニーズが高まっており、国際競争力の強化や透明性の確保といった点からガバナンス強化が求められている。こうした動きを受けて、NECは導入から運用まで含めたワンストップソリューションを打ち出した。

研究情報基盤(RII: Research Information Infrastructure)の全体像

 超高速データ転送システム「NEC Ultra‐high-speed Data Transfer System」が大規模実験・計測データの共有やBCP(事業継続計画)対策などに資する形で最大級のネットワーク帯域とディスク間転送を実現。「NEC Data Provenance System for HPC」は、膨大なシミュレーション実行時の来歴情報を自動取得・参照可能とし、研究過程の透明性や共同研究時の利活用を支援する。

 収集・蓄積された研究データを人工知能(AI)も活用して利活用を促す「データカタログ・ポータルシステム」や、リモート計算リソースを高度に活用する「ExpEtherを用いたリモートリソース活用システム」も併せて提供する。

 今後、学会展示やオンラインセミナーなどを通じて本ソリューション群の紹介を進める。