2025.12.02 パナソニック、「ウェルビーイング」な空間提供 売上高30億円目指す

光・空気・音・香り・映像などのテクノロジーを駆使し、エリアごとにウェルビーイングな空間を創出(写真はリフレッシュルーム)

空間を作り出すテクノロジーの例(左:ランターナ 右:短焦点プロジェクタ)
空間を作り出すテクノロジーの例(左:ランターナ 右:短焦点プロジェクタ)

 パナソニック エレクトリックワークス(EW)社は1日、会議室などのエリアごとに導入できるオフィス向けのウェルビーイング(心身の健康と幸福)な「空間パッケージ」の提供を12月に始めると発表した。健康的に働ける空間を評価する国際的な認証制度「WELL認証」の考え方に基づく取り組み。2030年度にオフィスのコンサル・ソリューションなど関連事業で売上高30億円の達成を目指す。

 パナソニックEW社では、22年から業界に先駆けWELL認証取得を支援するコンサルティング事業を展開。国内唯一の「IWBI(International WELL Building Institute)」公認の利用者アンケート認定調査機関として、オフィスの傾向や課題に関するデータを収集・分析し、ウェルビーイングな空間づくりでの知見を蓄積してきた。

 今回、これまでのWELL認証取得支援や課題に対する光・音、空気などに関わるさまざまな空間商材の提案実績をもとに、エリアごとに導入できるウェルビーイングな空間パッケージを用意する。

 近年、企業で人的資本経営やウェルビーイングの向上が重要視される中で、空間をパッケージで提案し、こうした要素がより導入しやすい環境づくりに取り組む。

 具体的には、「リフレッシュ」「マグネット」「会議室」という3つのエリアで発生する「リフレッシュ&リラックス」「コミュニケーション促進」「聞く・話すに適した環境」といった課題を解決する空間パッケージを提案する。

 WELL認証を基軸に、光・空気・音・香り・映像など5つのテクノロジーを活用し、最適な空間を提供。これにより健康的でストレスなく、社員のモチベーションが向上するような空間を実現する。同社による調査・分析・コンサルを通じ、進化し続ける空間づくりに取り組むとともに、予算や納期、ニーズなど優先順位に応じた段階的な導入が可能だ。

 3つの空間パッケージのうち、リフレッシュエリアの場合、自然の中にいるような演出を取り入れ、効率的に気分の切り替えとパフォーマンス向上を促す。

 こうした環境を創出するため、明るさや色温度をシーンごとに変えられる新無線制御照明システム「LiBecoM(リベコム)」に加えて、鳥のさえずりなどの音環境を創り出す「環境音BOX」を用意。さらに、緩やかな気流制御で体感温度などを調節する「スポット気流」、時間や季節の移ろいを感じさせる音・映像を演出する装置「ランターナ」や「短焦点プロジェクタ」、天然アロマで癒し空間をつくる「アロマディフューザー」といったテクノロジーを駆使する。

 このほか「マグネット」エリアでは、仕事の合間に立ち寄りやすい場所として、会話のきっかけとなる情報を発信し、コミュニケーションを促す空間を創出。「会議室」では、音響や温熱環境に配慮し、会話の聞き取りづらさや空気の淀みを解決し、活発に議論ができる会議空間を実現する。

 これらエリア空間の環境創出に最適な空間商材を5つのテクノロジー領域から選んでソリューションを提案する。

 また、音と温熱に関する要因分析と対策提案を行うコンサルティングサービスも提供。ウェルビーイングな音と温熱環境の実現をサポートしていく。具体策としては、環境音BOX、スポット気流、遮熱フィルムなどのソリューションを活用した解決策から提案を始める。