2025.12.05 リガク、半導体向け計測装置の新製品 高精度ウエハーに対応

半導体向け計測装置「XTRAIA MF-3400」

 X線分析装置のソリューションを手がけるリガクは、半導体製造工程でウエハーの膜の厚みなどを計測する装置の新製品「XTRAIA (エクストライア)MF-3400」を発売した。次世代メモリーチップやAI(人工知能)向け高速デバイスの量産に不可欠な材料の評価を高精度に行うことができる。

 今回の計測装置は、X線の強さを約2倍に高め、新しい搬送システムと組み合わせることで、1時間当たりのウエハー測定枚数が大幅に増加した。わずか50㎛ほどの領域でも、材料を傷付けずに原子1個分以下の精度で膜の厚さを測定できる。

 さらに、X線を使った三つの分析機能「蛍光X線」「X線反射率」「X線回折」を搭載している。極薄膜の組成や膜厚、結晶性などの目的に応じた最適な測定解析条件をレシピに登録することで、自動的な測定が可能となっている。

 生成AIの普及とデータセンターの拡大が進む中、膨大なデータ処理を支える基盤として、高い性能と省エネルギー性を持つ半導体が求められている。これに伴い、内部構造がさらに複雑化し、微細化と立体化が進展。こうした高度な構造を安定して製造するためには、ナノレベルの金属膜や絶縁膜の厚みを非破壊で正確に測る技術が必要となっている。

 同装置は、半導体メモリー大手のキオクシアとキオクシア岩手の3D(3次元 )型NANDフラッシュメモリーの量産ラインへの導入が決まっている。今後も新たな材料・プロセス分野への展開を進め、前モデルと同装置の両シリーズで、2027年度以降も年間20%の持続的成長を目指す。