2025.11.18 ノキア、イタリアと豪で5Gインフラを受注
ノキアの「AirScale」の構成製品
フィンランドのノキアは17日、通信事業大手Telecom Italia(テレコム・イタリア、TIM)から、AI(人工知能)対応の5G(高速通信規格)システム「AirScale」を受注し、イタリアの国や自治体、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に一役買うことになったと発表した。同社は5月にオーストラリアの通信事業者Optus(オプタス)からも同様のシステムを受注している。
ノキアによると、TIMが3年計画で国内の通信網を近代化し、5G対応にする。TIMの既存のサービス網に加えて新しい地域での企業向けに5G通信網を敷設。TIMが目指す地域と都会とのデジタルデバイド(国内の通信網格差)解消だけでなく、企業向けの高速ブロードバンド通信網を構築していく。
ノキアが供給する業界最先端でエネルギー効率に優れたAI対応の無線アクセスネットワーク(RAN)は、TIMによる環境への影響を最大限抑制するよう設計されている。システムは、マルチ入出力を表す最新世代の「Massive MIMO(マッシブMIMO)」と、アンテナシステム「Habrok 32」、FDD(周波数分割複信)マルチバンドの遠隔無線ヘッド「Pandion」などで構成されている。
マッシブMIMOは、基地局に多数のアンテナを搭載し、複数のユーザーやデバイスに同時にビームを送信する。Habrok32は軽量、省電力、高性能な32個のアンテナで構成。マッシブMIMOなど一連の機器には、自社開発のSoC(システム・オン・チップ)「ReefShark」を搭載している。
ノキアのジャスティン・ホサードCEOは「TIMとの協業でイタリアのDXは次の段階の鍵を開けることができる」と語っている。
豪オプタスも、HabrockやLevantといった超高性能ベースバンド関連機器を導入。オーストラリア国内の地域の設備近代化を推進する。同社のベースバンド機器はAI対応で、しかもSoC「ReefSharc」を搭載し、信頼性に富んでいる。









