2025.12.19 伊藤忠商事とCTC、英AKQAの国内事業統合でCXコンサル体制強化 生成AI活用でCX向上加速

 伊藤忠商事と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は18日、デジタルエージェンシー大手である英AKQA社とその日本法人の事業統合に合意したと発表した。これを受け、生成AI(人工知能)時代の顧客体験価値(CX)の向上支援体制を強化する新組織を来年1月をめどに発足させる。

 両社はこれまで、伊藤忠商事とCTC出資の合弁会社AKQA UKAと、AKQAの日本法人AKQAを別々に展開してきたが、今回の統合により人材やノウハウ、ネットワークを集約。CXコンサルティングの提供能力を一段と高めるのが狙いだ。

 日本国内ではCX向上を経営戦略の中核に据える動きが加速している。マーケティングやデジタル部門を横断した専門組織設置や生成AIの活用検討が進み、顧客との接点でのデジタル活用や業務プロセス高度化が急務となっている。こうしたニーズを受け、CTCグループは統合体制を通じた一貫支援を強化している。

 統合後の新体制では、生成AIなど先端技術を前提とした顧客理解、クリエーティブ戦略、サービス設計からシステム実装までの一貫提供を目指す。企業の中長期的なCX変革を支援し、顧客価値創出につながる取り組みを加速させる。

 AKQA社は世界19カ国に展開し、デザインとデジタルを融合したCX変革支援の実績を有する世界的エージェンシー。日本法人AKQA TokyoもNikeなどのグローバルブランドの戦略・コミュニケーション領域で成果を挙げているという。

 CTCと伊藤忠商事は2022年のAKQA UKA設立以降、CTCのデジタル事業群と連携しつつ大企業のCXプロジェクトを推進し、設立目標であったプロジェクト数100件を達成しているという。今回の統合により、これまで以上に多様な顧客のニーズに迅速かつ柔軟に対応する体制構築を図りたい考え。