2026.01.01 【材料総合特集】国内外で生産力増強投資が活発化 電子材料メーカー各社、共創型拠点構築も進展

東京応化工業の高純度化学薬品新工場「阿蘇工場 阿蘇くまもとサイト」=熊本県菊池市

 電子材料メーカー各社は、中長期の成長に向け、国内外での設備投資戦略を加速させている。自動車関連やAI(人工知能)サーバー、データセンター(DC)関連、サステナブル関連などでの需要増に照準を合わせ、新工場建設や既存工場拡張への取り組みを進め、2026年も積極的な設備投資を計画する。次世代半導体プロセスなどへの対応や新規ビジネス創出を目指し、新たな開発拠点や共創型拠点の構築などにも力が注がれる。

 25年の電子材料の世界需要は、自動車関連がやや低調だったものの、AIインフラ関連やICT端末、半導体プロセス関連などの需要が堅調に推移。懸念された米トランプ関税によるグローバルサプライチェーンへの影響も軽微で、おおむね堅調に推移した。26年もAI関連をけん引役に、

 ハイエンドなICT(情報通信技術)端末や半導体プロセス関連、カーボンニュートラル関連などでの需要増大が期待されている。

 電子材料各社は、中期経営計画や長期ビジョンに基づき、26年も国内外での新工場建設や新工場棟増設、既存工場での生産ライン増設などを計画している。

 特に、BCP(事業継続計画)対応や半導体国内投資拡大への対応のため、国内での生産・検査体制の強化・拡充の動きが活発化。国内外の主要半導体デバイスメーカーや装置メーカーの大型投資が集中している九州・熊本地区での新工場建設や物流拠点整備などが進められている。

 海外でも、ASEANエリアを軸に、新工場建設や既存工場拡張が進められており、地産地消のため、北米や韓国などでの生産体制強化を図っている。

 研究開発拠点新設や拡張の動きも進む。各社は、次世代の有望分野に照準を合わせた技術開発体制の刷新により、イノベーションを加速化。ポスト5G/6G通信や次世代モビリティー、次世代半導体プロセスなどの成長分野をはじめ、脱炭素、省資源、サステナブルなどのメガトレンドに対応した基盤技術や革新的な製品開発、プロセス開発などを推進し、競争力の強化を目指す。

 研究開発DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた新たな事業拠点を開設し、研究開発部門や生産技術部門のデジタルサイエンスの専門家、エキスパート人材を集結させ、研究者間の交流を活発化することでDXによる革新を目指す企業もある。

 研究開発施設内に、顧客やアカデミア、スタートアップなど社外パートナーとの協創空間を設けることで、他社とのコラボを通じた新領域開拓や新たな価値創造推進なども志向されている。

 半導体材料を手がける企業では、急激に進化する半導体パッケージング技術などをキャッチアップするため、米国シリコンバレー地区の研究体制や情報収集能力を強化する動きも見られる。

 主要電子材料メーカーの多くは、2030年ごろを見据えた長期ビジョンを公表しており、企業によっては、2050年から2060年までの長期事業計画を設定している。各社は長期スパンでの社会環境の変化を踏まえ、さまざまな社会課題へのソリューションを創出していくことで、未来社会への貢献と持続的な成長を目指す。