2026.01.12 【電子部品総合特集】電子部品需要展望 AI市場の成長が部品需要けん引
26年電子部品世界生産額 前年比5%増の2434億ドル
電子部品の2025年の世界需要は、24年に続き、2年連続で前年実績を上回った。分野により回復の度合いはまちまちだったが、大規模データセンター(DC)などのITインフラ投資の拡大や高機能モバイル端末、HDD市場の成長などが需要をけん引した。26年の電子部品需要も、AI(人工知能)関連をはじめ、ADAS(先進運転支援システム)の搭載増や産業機器・設備投資関連需要の回復などがけん引し、3年連続の増加が見込まれる。
2020年以降の電子部品世界市場は、コロナ禍の影響による20年前半の落ち込みを経て、同年後半以降は回復に向かい、21年は車載や産機を中心に想定を上回るペースで需要が拡大した。21年秋以降は半導体不足から自動車減産が相次ぎ発表されたが、部品ユーザーのBCP(事業継続計画)在庫積み増しが進んだことで、高水準の部品受注が継続した。22年も前半は好調さが継続し、22年春以降に進んだ対米円安進行も輸出比率の高い日系部品企業の売り上げ・利益を押し上げた。
一方、22年後半からは民生用や産機向けの電子部品受注に陰りが見られるようになり、23年に入ると需要減速が一段と鮮明になった。コロナ終息で世界経済の正常化が進んだ一方で、コロナ特需からの反動減や、中国経済停滞による設備投資需要減退、半導体投資減少、部品ユーザーの在庫過多などが部品需要に影響を与えた。
24年の電子部品市場は、スマートフォンやノートパソコン(PC)などのIT機器需要が回復傾向となり、さらに生成AIの普及を背景としたサーバー・DC市場の成長が関連部品需要を押し上げた。一方で、産機向けは調整局面が継続。車載もEV(電気自動車)の鈍化や高インフレによる世界的な新車販売低迷により、想定を下回る推移となった。
25年の電子部品市場は、年初時点では緩やかな回復が予想されていたが、4月の米トランプ大統領の相互関税発表を機に、一気に不透明感が増す形となった。それでも、7月後半ごろまでに多くの国が一定の合意に達したことで、市場に大きな混乱が起きることはなく、日系部品メーカーの事業への影響も軽微だった。
分野別では、25年も引き続きAIサーバー・DC向けの部品需要が増加したほか、IT端末も堅調に推移。車載は、EVは低調だったがHEV(ハイブリッド車)やADAS関連がけん引、産機市場の回復は勢いを欠いたが、電子部品全体の需要は堅調だった。想定より為替が円安で推移したことも、日系部品企業には追い風となった。
26年の世界の電子部品市場は、25年と同様、AIサーバー・DC関連の需要増が見込まれるほか、エッジAI端末やADAS関連などをけん引役に成長の継続が予想されている。EVの低迷は当面続く見通しだが、FA機器や半導体製造装置などの需要は実需に見合う形での回復傾向継続が予測されている。
電子情報技術産業協会(JEITA)の予測によると、25年(1~12月)の電子部品世界生産額(見込み)は前年比7%増の2309億ドル。26年の電子部品世界生産額見通しは同5%増の2434億ドル。ITインフラ投資拡大や、生成AI搭載のPCやスマホの増加などによる需要押し上げが期待されている。
世界の電子部品市場で約32%のシェアを持つ日系電子部品メーカーの25年のグローバル生産見込み(国内生産+海外生産)は前年比4%増の10兆9501億円。日系電子部品メーカーの26年のグローバル生産見通しは同5%増の11兆4832億円と堅調な増加を予想している。
25年の国内生産額見込みは、前年比7%増の3兆4305億円。26年は同5%増の3兆5906億円を予測する。
受動部品
26年の受動部品市場は、AI関連需要の増大やADAS・自動運転関連需要、スマホやPCの高機能化などを背景に、堅調な推移が見込まれる。特にAIサーバーの増加は、コンデンサーなどの員数増にも大きく貢献する見通し。また、AIDCでは大量の電力を必要とするため、高電圧・高容量部品の需要を押し上げることが予想される。
車載も、車の電子化や電動化の進展が、コンデンサーや抵抗器、水晶デバイスなどの員数増や高付加価値化を促進する見通し。スマホやPCのエッジAI端末化も、小型・高性能の受動部品需要をけん引する。
接続部品
接続部品は、25年は産機市場の回復の遅れなどで一進一退が続いたが、26年は回復軌道への回帰が期待されている。
分野別では、車載は今後もECU(電子制御ユニット)の高性能化に対応する高速伝送対応コネクターや、パワートレイン系の大電流・高耐圧対応コネクターなどの高付加価値品の需要増が期待される。
ICT関連では、スマホの高機能化に伴い、小型基板対基板用や大電流対応バッテリー接続用コネクターなどの拡大が予想される。25年はコネクターメーカー同士の業務提携なども相次いだが、こうした業界再編の動きも注目される。
変換部品
変換部品は、磁気ヘッドは今後もAIサーバー市場の拡大に伴い、HDD用ヘッドの需要増が予想される。
モーターは、車の電子装備率上昇やxEV(電動車)化が自動車1台当たりのポテンシャルを高めている。今後もADASの高度化や乗員の快適性向上に向けた新機能付加などにより、車載用モーターのグローバル需要は成長が見込まれる。
音響部品は、ノイズキャンセル機能付きヘッドホンなどの高付加価値品の需要拡大、さらにIoTやAR(拡張現実)・VR(仮想現実)関連などでの需要創出が期待されている。












