2026.01.14 キヤノン、先端半導体の「でこぼこ」減らす技術 インクジェット応用 27年の製品化めざす

 キヤノンはインクジェットの仕組みを生かし、半導体を切り出す前のウエハーを平坦化する技術「Inkjet-based Adaptive Planarization(IAP)」を開発した。表面の凹凸が特に問題になる、演算をつかさどるロジックやデータの記憶を担うメモリーといった分野の先端品製造に向けて、2027年中に装置の製品化を目指す。

 半導体は成膜や配線などの製造工程を重ねる中で生じるウエハー表面の凹凸を均一に整える必要がある。微細化や3次元(3D)集積化が進むと、わずかな凹凸が性能に関係する回路の臨界寸法(CD)の誤差や、ウエハー表面に形成する図形の縁、パターンエッジの位置ずれにつながり、歩留まりや生産性に影響する。既存の平坦化手法には薄膜を形成し表面をなだらかにするスピンコート技術や、薬品や研磨装置を繰り返し使う化学機械研磨(CMP)があるが、工程の複雑化やコスト増が課題だ。

 キヤノンは、インクジェット方式で樹脂製の感光性材料、レジストを塗布したウエハーに回路パターンを刻み込んだマスク(型)をハンコのように押し当て回路を転写する技術としてナノインプリントリソグラフィー(NIL)を開発し、半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」に採用し23年に発売したが、今回IAPとして平坦化に応用する。

 ウエハー表面の凹凸分布に応じて樹脂を配置し、上から平坦ガラス板を押し当てる。凹凸の粗密や回路パターンの違いに左右されず直径300mmのウエハー全面の凹凸を5nm以下に抑え、後続の工程のためにより均一な層構造を実現できるという。