2026.01.22 【情報通信総合特集】大塚商会・大塚裕司社長 特需の先を見据え成長描く、「AIとセキュリティ」が鍵

大塚社長

 2025年の市場は、Windows10の入れ替え需要が大きかった。ただ、Windows7の切り替え局面で見られたような混乱は少なく、全体としては淡々と進んだ印象。大企業では既に更新が進んだが、中小企業ではなお残需要があり、一定の動きは続いている。今回の需要の「山」はきゅうしゅんではなく、なだらかに続く「丘」に近い。延長サポートという選択肢がオフィシャルに提示されたこともあり、ピークアウトしても急に止まる展開にはなりにくいとみている。

 「山」があれば「谷」が来る。問題は来年だ。売上高は第3四半期で1兆円を超えたが、これは計画通りの成果。Windows更新特需後にどう収益を維持し、増益を続けられるかが試金石になる。パソコン(PC)単体は収益性が高い商材ではない。それだけに、数年前から進めてきたストック型のビジネスが鍵となる。保守サービスのウエートを高め、「谷」を浅くしていきたい。

 2026年は「お客様に寄り添い、AIとセキュリティでお客様と共に成長する」をスローガンに掲げた。AI(人工知能)は2016年から自社で使い込み、活用のノウハウを蓄積してきた。

 社会全体でAIの実装が進む局面に入り、次は「どう使うか」「どう現場に定着させるか」が問われる。社内でも、レポートが似通うといった新たな課題も見えてきた。AIを使いこなすには、結果の検証が欠かせない。特にLLM(大規模言語モデル)はネット由来の情報も混ざるため、エージェント化して自動実行する使い方には怖さが残る。まずBI(業務データの可視化・分析)的なアプローチでデータの特徴量をつかみ、検証を経て自動化に進むのが現実的だ。

 25年は、大規模サイバー攻撃が相次ぎ、セキュリティーへの危機感が一気に高まった。能動的な対策はもはや後回しにできない状況。中堅中小企業にも大企業レベルの対策を安く提供できるのが当社の強みであり、今後はさらにわかりやすい「まるごと」のパックとして整理し、提案していく。Windows更新を入り口に、ネットワークやクラウド、保守、セキュリティーへと複合提案し、「単品で終わらせない」姿勢を徹底することが、特需の先の成長を導く。