2026.01.22 【情報通信総合特集】電通総研・岩本浩久社長 AI実装を軸に製造業変革を支援 シンクタンク、コンサル、SI機能連携

 ICTの市場環境は、少子高齢化やデジタル人材不足などの課題を背景に、企業のデジタル投資意欲は強い。関税の影響も現時点では落ち着いており、優先度の高い取り組みへの投資が行われている。

 当社の足元の業績も好調に推移している。2025年12月期第3四半期までの業績は、売上高1211億円(前年同期比8%増)、営業利益163億円(同12%増)と売り上げ、利益とも過去最高を更新した。通期では売上高1680億円、営業利益230億円を予想している。

 昨年2月に「Vision2030」と中期経営計画「社会進化実装 2027」を発表した。2030年には売上高3000億円、営業利益率20%を目指す。目標実現に向け27年度で売上高2100億円、営業利益率15%を計画する。

 昨年12月に創立50周年を迎えた。今後、三つのリーダーシップを発揮していく。一つ目の「製造業のグローバル競争力強化」では、AI(人工知能)や先端技術の実装を通して製造業変革のイネーブラー(可能にする存在)を目指す。二つ目の「企業の生産性向上」では、独自のソリューションの強化拡大で企業変革支援のトップランナーを目指す。三つ目の「企業と社会の生活者体験向上」では、電通グループと共に変革のプロデューサーを目指す。

 25年度は「お客様第一」のための大規模な組織改革にも踏み切った。従来の事業部制による縦割りの壁を打破し、全社のテクノロジーとソリューションを横断的に提案できる体制を整えた。また、AI活用と差別化戦略、「クロスイノベーション本部」が中心となり、AI人材の育成やAIを実業務に組み込む体制の推進、シンクタンク機能の強化、「経済安全保障研究センター」設立による経済安全保障への取り組みを強化した。

 27年の中計目標達成に向け、いかにAIを実業務に深く組み込み、既存のSIビジネスをアセット型へと進化させていけるかが鍵。26年度もデジタル化やAIなどの先端技術の適用により、引き続き良好な事業環境が予想される。当社は、 AIを核とした独自アセットの差別化によるビジネス拡大、シンクタンク、コンサルティング、SIの3機能を連携させ、より広範な社会課題に取り組む。