2026.10.09 NICTとシャープ、5G衛星通信の実証設備構築 鹿島宇宙技術センターに

衛星通信設備(Ka帯パラボラ型ゲートウエイアンテナ)

自動車への搭載イメージ自動車への搭載イメージ

 情報通信研究機構(NICT)とシャープは、5G技術を衛星通信に適用する通信規格「5G NTN(Non-Terrestrial Network)」の技術検証や通信試験が可能な衛星通信設備を鹿島宇宙技術センター(茨城県鹿嶋市)に構築した。2026年内の運用開始を目指す。

 これまで国内では、同規格の検証環境は限られ、海外設備を利用するケースが多くあった。

 今回、NICTが運営する鹿島宇宙技術センター内の建物屋上に、Ka帯パラボラ型ゲートウエイアンテナなど、衛星と地上の通信網をつなぐ設備を構築。

 国内で5G NTNの技術検証や通信試験を行える環境を整備した。衛星通信の利用に必要な免許を取得し、年内の運用開始を目指す。

 鹿島宇宙技術センターは、宇宙通信に関する研究開発や衛星通信実験の拠点として長年活用されている。周辺に高い建物がなく、上空も開けていることから、衛星通信に適した環境を備えている。

 同設備の運用開始後には、衛星通信ユーザー端末を自動車やドローンに搭載し、移動体での通信品質や安定性に関する通信試験を実施する。

 セルラー通信などの地上系ネットワークと衛星通信との間で、通信を維持しながら接続先を切り替えるハンドオーバー技術の検証なども実施する予定。

 モビリティー分野での活用に向け、自動運転をはじめドローンなどとの通信試験も進めていく。

 現在、衛星通信では事業者によって異なる通信方式が採用されている。5G NTNは、地上で普及している5G技術を衛星通信に適用する通信規格で、標準化が進められている。

 標準化が進めば、共通仕様に対応した端末を開発しやすくなるとともに、さまざまなネットワークへの接続が容易になり、一つの端末で複数の衛星通信サービスを利用できる可能性が広がる。

 NICTとシャープは、5G NTNの実用化に向け、衛星通信ユーザー端末の開発や小型・軽量化などに取り組んでいる。