2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】市場動向 IoT/データ活用
データ分析活用進む、人材育成が急務
爆発的に増加するデータの利活用が社会、企業の成長を大きく左右するデータドリブンな時代を迎えている。データは〝第4の経営資源〟と言われ、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)を利活用したデジタル経済の進展が、Society5.0の実現にもつながる。
あらゆるものがインターネットにつながるIoTで集めたデータが、AIやロボティクスなどの最新のテクノロジーと結び付き、これまでにない新たな世界を創出する。
「情報通信白書」では「インターネット利用の増大とIoTの普及により、様々な人・モノ・組織がネットワークにつながることに伴い、大量のデジタルデータ(ビッグデータ)の生成、収集、蓄積が進む。データのAIによる分析結果を、業務処理の効率化や予測精度の向上、最適なアドバイスの提供、効率的な機械の制御などに活用することで、新たな価値につなげることができる」と指摘している。
これからのキーテクノロジーとなるIoTにより、様々なモノがインターネットにつながり、そこで集められたデータを活用することで、様々な可能性が広がる。
今、デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)が叫ばれている。
このほどIDC Japanは、企業がデータをどう活用しているかという興味ある調査をまとめた。同調査は、6月に国内のビッグデータ/アナリティクス市場について、データ分析の活用状況、新型コロナウイルス流行によるデータ分析向けIT投資への影響、データ分析人材の充足状況などを調査したものだ。
これによると、データ分析の活用状況は、1年前の19年調査から全体で7・0ポイント増加した。IDC Japanでは「データ分析需要の高まりがうかがえる結果となった」と分析している。
産業分野では、製造、情報/通信、金融での増加が顕著で、「保有する社内データが豊富で、データ分析を推進する条件が整っているため」(IDC Japan)とみられる。
また、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、企業のデータ分析のための予算も前年と変わらないか、増加の傾向を見せており、企業のデータ分析重視が読み取れる。
ただ、今回の調査結果でも8割の企業が、「データ分析に関わる人材の不足している」と回答している。
経済産業省のDXレポート「2025年の崖」では「爆発的に増加するデータを活用できなければ、デジタル競争の敗者になる」と指摘している。
5Gサービスも開始され、データの増加は加速する。真のデジタル変革の時代を迎えるが、一方で膨大なデータを分析・解析し、予測するための統計分析やAIなど高度なスキルを持つ「データサイエンティスト」の育成や、世界的に高まるデータ保護規制など法整備への対応も急務となっている。