2020.09.25 【九州・山口産業特集】エフェクトAI技術者育成など教育事業に注力

光安 社長

 IoTソリューションを主力とするエフェクト(福岡市博多区)は、今秋以降、地元福岡発の取り組みを意識した事業に力を入れている。

 今春に定款を変更し、ソフト開発事業に加えて新規に教育事業を追加した。自身が副理事長を務めるQUESTも教育事業に力を入れていることもあり、光安淳社長は「今後、教育ビジネスは重要。我々にしかできないことを」と意気込む。

 18年に「飲酒運転防止IoTシステム」、19年にはAIを利用した「自律飛行ドローンによるイチゴ農園監視システム」と、これまで自社開発にも積極的に取り組んできた。この技術を生かし、裾野を広げる教育にもつながればと、独自カラーが打ち出せる企画を考えている。

 特に全国的に技術者が不足しているAIでは、同社は専任のチームを持つ。「AIはスペシャリストが必要」との考えから、関連したセミナーの開催を検討している。さらに、JASA主催の「ETロボコン」やロボット開発に携わった経験と技術を生かし、教育用のロボットを使った福岡市内の施設とのコラボ企画も視野に入れている。

 新型コロナウイルス感染拡大による影響はほぼなく、従業員増に伴って6月に第2オフィスを増設し、新型コロナ対策と作業効率の向上を実現している。20年度(12月決算)は増収を見込むが、増益となるかは10月以降の業績にかかっている。下期は受託事業が縮小傾向なこともあり、従来の事業に加え、新たに取り組む教育事業で活性化を図る。

 「受託事業は継続、成長を目指すが、そこに固執せず、コロナ禍にあって技術を生かす事業を展開していきたい」としている。