2021.03.08 【中部産業特集】日本ガイシロームと蓄電ユニット開発
ロームとの協業による蓄電ユニット
チップ型セラミックス二次電池エナセラ使用
日本ガイシは1月20日、ロームとの協業による超高効率な蓄電ユニットを発表した。チップ型セラミックス二次電池「EnerCera(エナセラ)」とロームの超低消費電流技術「Nano Energy」を組み合わせたもの。EnerCeraは、電極に同社独自の結晶配向セラミックス板を使用した、小型・薄型でエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池。耐熱性が高いため、IoTデバイスなどへ高温実装できるのが特徴で、厚さ0.45ミリメートルと超薄型で曲げ耐性のある「EnerCera Pouch(エナセラパウチ)」は、ホットラミネート加工に対応。厚さ1-2ミリメートルのコイン型「EnerCera Coin(エナセラコイン)」は、リフローはんだ実装が可能で、リチウムイオン二次電池として世界で初めて作動温度105度を実現している。
EnerCeraに、エネルギーハーベスティング(環境発電)技術や、ワイヤレス電力伝送(WPT)技術を組み合わせれば、IoTデバイスのメンテナンスフリー化(電池交換不要)がかなう。
ロームとの協業による超高効率な蓄電ユニットは、EnerCera PouchとNano Energyを搭載した降圧DC/DCコンバータなどのIC群から構成された電源システム基板で、メンテナンスフリーIoTデバイスの実現に貢献する電源ソリューションとなる。
小型でも高容量な二次電池EnerCeraに、消費電流が180nAと世界最小クラスの電源ICを組み合わせることで、待機可能時間を大幅に拡大した。エナジーハーベスティングやワイヤレス電力伝送による微弱電力でも、高効率に充電できる。
出力でもEnerCeraから大電力を高効率に放電し、IoT機器のセンサーや無線通信を駆動するのに十分な電力を供給する。
両社は評価用デモボードを開発し、IoTデバイスやウエアラブル機器などの用途を中心に様々な市場に提案活動を行っている。