2021.06.08 JBMIA、SDGsへの貢献に重点21年度方針、社会環境の変化に迅速対応
池田 会長
ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)は、先に開催した定時総会で、2021年度の重点方針を決定した。ニューノーマル社会に向けて積極的な提案を行うとともに、「デジタル化の大きな変化の中で、イノベーションと社会課題解決により、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献していく」(池田隆之会長=東芝テック相談役)方針。デジタル化では、DFFT(データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト=信頼ある自由なデータ流通)などセキュアなデータへの取り組みを加速する。
21年度の重点テーマとして①SDGsの推進に貢献するグローバルな事業展開②社会環境の変化への迅速な対応③協会運営およびプレゼンスのさらなる向上--などを掲げた。
経済産業省が進めている成長戦略であるデジタルとグリーン戦略に沿い、21年度の協会活動では、SDGsやユーザーの視点に加えて、新たな方向性を検討する活動を強化する。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、新しいワークスタイルが求められている。「これまでリアルな働き方の場ではハードウエア・ソリューション・サービスを中心に将来のワークスタイルの検討を進めてきたが、今後、リアルな働き方に対しては、従来通りしっかりサポートしつつも、コロナ禍で加速したリモート環境を含め、新たなワークスタイルにおいて安心して働ける仕組みを積極的に提案」(池田会長)していく。
データの真正性に対応
特に重視するのが、リアルでもリモートでも扱うデータの真正性(トラスト)への対応だ。「紙データを電子化する際の真正性の付与や、いつでもどこでもドキュメント(紙)に出力したり電子化したりできる仕組みの基礎研究を進め、紙でも電子データでも区別なく活用できる、紙とデジタルの融合」(池田会長)を目指す。
デジタル庁による官公庁のデジタル化推進に伴い、デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)やセキュアにデータを取り扱うDFFTなど、デジタル化の進展と変化に対応した検討を急ぐ。
また、会員企業を中心に、デジタル化を推進すべき領域で、必要な機能とそれを実現する共通プラットフォームの構築について検討を行っていく。
人工知能(AI)では急速な進歩に対応。AI技術を利用し、特許出願の大幅な工数削減(生産性向上)を目標に、機械翻訳プラットフォームの翻訳精度の向上を図る。
デジタル化への対応では、複合機のセキュリティーに関する啓発活動のほか、電子帳簿保存法への対応として、電子帳票をQRコードで効率よく取り扱うことができるJBMS(協会規格)標準化の普及、今後のデジタル化の進展で新たに必要となる情報管理運用について検討する。
2つの委員会正式発足
21年度事業では、循環型社会と温暖化対策などグリーン政策によるSDGsへの対応を強化。協会運営やプレゼンスのさらなる向上では、これまで準備委員会だった動脈物流委員会、プラスティックマテリアルリサイクル(PMR)委員会を正式委員会として発足させる。カーボンニュートラルを視野に入れた取り組みを推進していく。