2021.08.18 【コネクター総合特集】コネクターメーカーアンケート電波新聞社まとめ

コネクター需要予測

 21年(1~12月)の「国内」および「全世界」のコネクター需要予測を聞いた。

 国内需要では、回答15社中、13社が「増」と回答。うち7社は「2桁以上の増」と回答し、「20%以上の増」とした企業も見られた。全世界需要では、回答15社の全社が「増」と回答し、うち「2桁以上の増」が9社と全体の6割に上った。

 今年1月に実施した同様のアンケート調査と比較すると、21年のコネクター需要見通しは、国内、全世界ともに積極的な見方が強まっている。

 コネクター需要は、18年後半以降、米中貿易摩擦などの影響で停滞が続き、20年も新型コロナウイルス感染拡大による自動車市場低迷などで前年割れとなったが、21年は力強い回復が予想される。

 コネクターメーカー各社は、2021年度もグローバルでの積極的な事業を展開する。21年のコネクター需要は、新型コロナの影響で低迷した20年から反転し、「国内」「グローバル」ともに順調な成長が予測されている。そうした中で、各社は産業機器や自動車、各種インフラ、携帯端末など、成長分野での事業拡大を目指す。研究開発費や設備投資計画も積極姿勢が見られている。

コネクター部門の売上高実績・計画

 各社のコネクター部門売上高の20年度実績と21年度計画を聞いた。

 20年度実績は、回答17社中、最も多かったのは「10%未満の増」と答えた7社。

 市況が低迷した中でも、「増」と答えた企業が計8社と半数弱に上った。

 21年度計画では、回答17社中、最も多いのは「10%~20%未満の増」とした8社となった。

 「20%以上の増」とした企業も2社を数え、「減」とした企業は見られなかった。

21年の拡販重点製品分野(用途)

 「21年の拡販重点製品分野(用途)」を聞いた。トップの58ポイントを数えたのは、「産業機器(含むFA)」。2番目は「自動車電装品」が54ポイントで続いた。

 以下、「通信・放送インフラ関連」「携帯電話/スマートフォン」「ウエアラブル端末」の順となっている。

 このほか、「医療機器」「家電/住設」「パソコン用ペリフェラル」「環境・新エネルギー関連」など多様な分野が重点拡販分野に挙げられている(集計方法=上位5分野を挙げてもらい、1位5ポイント~5位1ポイントとして集計)。

21年度のコネクター(部門)の研究開発費計画

 「21年度のコネクター(部門)の研究開発費計画(前年度比)」を聞いた。

 回答14社で最も多かったのは「前年並み」とした7社。

 「2桁以上の増」と答えた企業も計4社に達しており、「減」とした企業は見られなかった。

 コネクター業界では、ここ数年、積極的な研究開発費を計上してきた企業が多くなっている。

 各社は今期も新製品開発や生産技術開発などへの積極的な取り組みを推進する。

21年度のコネクター(部門)の設備投資計画

 「21年度のコネクター(部門)の設備投資計画(前年度比)」の質問では、回答14社中、最も多かったのは「前年並み」と答えた6社だったが、全体では6割弱に当たる8社が「増」と回答した。

 「20%以上の増」とした企業も4社に達した。

 コネクター各社の設備投資は、10年代半ば以降において、高水準が継続している。

 20年度はコロナ禍を踏まえ、不要不急の投資を抑制する動きも一部見られたが、21年度は旺盛な需要を背景に積極投資が実行される。

海外営業体制拡充

 「今後営業体制を拡充する国や地域」の質問(複数回答)では、最も多かったのは「中国」の29ポイント。「米国」が23ポイントで続いた。以下、「台湾」「ドイツ」「ベトナム」「インド」「タイ」「韓国」の順となっている。

 最近は、米中貿易摩擦激化や米国政府による中国企業への規制強化の動きなどから、中国市場の不透明感もあるが、各社の中国市場重視の姿勢に変化はない。一方、前回調査時との比較では、ベトナムが大きく順位を上げている。

米中摩擦への対応

 コネクター各社に、米中貿易摩擦による事業への影響や対応策などを聞いた。

 「米中貿易摩擦の自社事業への影響」の質問では、回答17社中、最も多かったのは、「直接的な影響は受けていないが間接的に影響を受けている」と答えた11社。

 「大きな影響を受けている」としたのは1社だけだった。

 また、「米中貿易摩擦への対応策」(複数回答)では、「グローバルでの生産地変更を実施している」「サプライチェーンの組み替えを実施している」などの回答が複数の企業から得られた。

21年度の自動車用コネクター販売計画

 「21年度の自動車用コネクター販売計画(前年度比)」の質問では、回答14社中、約8割の11社が「2桁以上の増」と回答。うち3社は「2割以上の増」と回答した。

 半導体不足や新型コロナウイルス・デルタ株拡大などの不透明要因がある中でも、積極姿勢が目立っている。

21年度のロボット用コネクター販売計画

 「21年度のロボット(産業用ロボット/サービスロボット)用コネクターの販売計画(前年度比)」では、回答した15社中、8割の12社が「増」と回答しており、「2桁以上の増」とした企業が計5社に達している。

21年度の医療機器・ヘルスケア機器用コネクター販売計画

 「21年度の医療機器・ヘルスケア機器用コネクターの販売計画(前年度比)」では、回答13社中、最も多かったのは「前年並み」の9社だった。

 「減」とした企業は見られなかったが、「2桁以上の増」と答えたのは1社にとどまった。

21年度の5Gインフラ設備用コネクター販売計画

 「21年度の5Gインフラ設備(基地局など)用コネクターの販売計画(前年度比)」では、回答13社中、「2桁以上の増」と答えた企業が計6社と全体の半数弱に達した。「30%以上の増」と回答した企業も見られている。

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