2021.12.17 シャープの「AIoT家電」400万台突破今後もサービス・コンテンツの拡充に力

最適なメニューの提案など、普通に使っていても機器が進化・最適化していくのがAIoT家電の特長の一つ

様々なサービスに対応し、例えばスマートフォンを持たない家族にも機器を通してスマートに伝言できる様々なサービスに対応し、例えばスマートフォンを持たない家族にも機器を通してスマートに伝言できる

 シャープは、インターネットにつながる家電「AIoT家電」が、今年9月で累計400万台を突破し、ネット家電の分野で業界をリードしている。

 AIoT家電は2016年に第1弾となるテレビ外付けのセットトップボックス「COCORO VISION Player」を発売し、初年度6カテゴリ26機種でスタート、現在11カテゴリー605機種までラインアップが拡大した。

 また、同社の白物家電におけるAIoT対応機種の割合は50%を超えるようになり、ネットにつながる家電がいまや“当たり前”になりつつある。

 同社AIoT家電の嚆矢(こうし)となったのは、13年に発売したロボット掃除機「ココロボ」で、当時は「ともだち家電」というコンセプトで展開したネットにつながるしゃべる家電だ。

 ともだち家電はネットにつながるものの人工知能(AI)がないため、購入時の機能から進化するといった対応はできなかった。

 AIoT家電は、買った後からでも機能やサービスの追加、進化(アップデート)が可能なことが大きな違いとなる。

 「ただ、AIoT家電は“しゃべる”という点はしっかり受け継いでいる。国内外のネット家電と比べても、シャープのAIoT家電はここが大きく違う」(Smart Appliances&Solutions事業本部AIoT事業推進部・中田尋経〈ひろのり〉部長)。

 しゃべる家電の究極のサービスともいえるのが、「ヘルシオ」「ヘルシオ ホットクック」向け音声カスタマイズサービス「COCORO VOICE」(21年10月27日サービス開始)だ。

 付加音声発話機能を搭載したAIoT家電の音声を、人気声優やアニメ・ゲームのキャラクター、英語、方言など、好みの音声に変更できる。今後、同サービス対応機種の拡充にも取り組んでいく。

 また「AIoTプラットフォームはオープンな環境で、他社サービスとの連携ができる」(中田部長)点や「普通に使っているだけでユーザーに合わせて機器の方から最適化・進化する」ことも大きな特長だ。

 例えばヘルシオ ホットクックの場合、クラウドサービス「COCORO KITCHEN」と連携し、コンテンツ(メニュー)の増加(毎月)、ユーザーの属性に合わせた最適メニュー提案、機能・サービスのバージョンアップなど、ユーザーに合わせて機器が進化・最適化していく。

 「家電を人に寄り添うパートナーとし、“もう一人の家族”に進化させたい」と中田部長は話す。今後もさらにAIoT家電のラインアップやサービス・コンテンツの拡充に力を入れていく方針だ。