2022.01.13 【放送/機器総合特集】22年 年頭所感有料放送サービス事業者と 民間放送事業者

CX向上とDX進化

 JCOM・石川雄三社長 今年は新ブランドメッセージ「あたらしいを、あたりまえに」を掲げて、J:COMならではの最高の提供価値を届ける。

 そのために重要な要素となる、CX(顧客体験)の向上とそれを支えるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進化に、より注力する。各部門でNPS(ネット・プロモーター・スコア)向上に向けた対策をさらに進め、CXを徹底的に追求していく。

 昨年はDXの取り組みが本格化した。今年はDXを全社で推進する。サービスエンジニア、アフターサポートなど、より良いカスタマージャーニーを地域密着で実現する充実した体制とともに、今まで培ってきた強力なフィジカルの力と、現在取り組んでいるDXのシナジーの実現に向け、さらにDXの取り組みを加速させる。

徹底的な顧客視点

 WOWOW・田中晃社長 昨年は1月に「WOWOWオンデマンド(WOD)」をローンチし、3月には「WOWOW 4K」を開局、5月には「10年戦略」と「中期経営計画」を表明するなど、怒涛(どとう)の一年だった。

 WOWOWのコンテンツに対する「お客さまの信頼」と、その信頼によって築いた「会員資産」、そして作る人、伝える人、支える人、エンタメが好きな社員皆さんの「コンテンツ愛」という三つの強みを生かして、「10年戦略WOWOWループ」を回し、中期経営計画を前進させる。

 中期経営計画では「徹底的な顧客視点」を揚げている。この激動の時代に、あらためて会員ビジネスの原点に立ち返り、「お客さま視点」を、WOWOWの「覚悟と決意」のよって立つところとしたい。

EDGE戦略実現

 TBS・佐々木卓社長 今年はTBSの歴史上初めての大チャレンジとして、これまで世界各地で大ヒットした舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」の7月8日開幕を予定しており、「キャッツ」のような超ロングランを目指している。

 また、この春にJNNのインターネットニュースプラットフォーム「TBS NEWS DIG powered by NJJ」が誕生する。積極的にデジタルニュースを出していこうという画期的な挑戦に挑む。

 昨年打ち出した「VISION2030」とその中核を成すEDGE戦略の「海外戦略のための新しい会社をつくる」「緑山に〝世界標準〟に対応できるスタジオを作る」「アニメへの投資を本格化する」の三つのプロジェクトが動き始めている。今の放送局としての社会的使命を果たした上で、今後もしっかりと収益を上げ、EDGE戦略を実現していきたい。

コア・シニア層に的

 テレビ朝日・早河洋会長・CEO 今年は49歳までをターゲットにした「コア層」と50歳以上のシニア層向けのハイブリッド戦略を展開していきたい。そのために新しいビジネスモデルとして、エンターテインメントサービスを提供する「アクティブ チョイス プロジェクト」の本格スタートに向け、作業を加速させる。

 また、若手クリエーターの発掘、育成を目的としてスタートした深夜のバラエティーゾーン「バラバラ大作戦」を発展・進化させる「スーパーバラバラ大作戦」を実施する。「新しい時代のテレビ朝日」を目指し、ABEMA、TELASAなどのインターネット機能を使ったビジネスも加速していく。

 変化の激しい時代に生き残るため、時代の流れに負けないスピードで、あらゆるサバイバル作戦を次から次に展開していく。今年を、そのスタートダッシュとなる年にしていきたい。