2022.01.19 【ネプコンジャパン/オートモーティブワールド特集】世界の主な製造系展示会

 世界で今年は、さまざまな製造系展示会の開催が予定されている。コロナ禍でオンラインによる展示会が定着してきたが、製造業からは技術の側面からもリアル展の開催を望む声が多い。製造業の設備投資が活発になる中で、リアル展示会がもたらす需要拡大への期待は大きい。

製造装置系の世界的な見本市

プロダクトロニカ

 製造装置系の世界的な見本市「プロダクトロニカ」(メッセミュンヘン主催)は、ドイツ・ミュンヘンで電子部品総合見本市の「エレクトロニカ」と毎年交互に開催されている。

「プロダクトロニカ2021」(21年11月、ドイツ・ミュンヘン)

 2020年はエレクトロニカの開催年だったが、世界的な新型コロナの感染でリアル展は見送られ、バーチャルのみで開かれた。

 「プロダクトロニカ2021」は昨年11月16日から19日まで、ドイツ・ミュンヘンのエグジビションセンターで開催され、36カ国から約900社が参加した。半導体製造装置、表面実装機はじめディスプレー、LED、材料加工、PCB回路、EMS、はんだ付け材料・ロボットなど、エレクトロニクス製造に関わる幅広い分野の製品、装置、技術が出展された。

 欧州企業の出展が主になるが、日系企業ではFUJI、パナソニック、ヤマハ発動機、JUKI、ジャパンユニックスなど、表面実装系各社が最先端装置を出展した。

 欧州でも生産自動化、省人化の要求が出てきており、電子部品実装工場で「スマートファクトリー」への関心が高まっていることから、日系実装機各社はスマートファクトリーの提案を行った。

 メッセミュンヘンは、中国でも「プロダクトロニカチャイナ2021」(3月17~19日)を上海新国際見本市会場で開催した。国内外から735社が出展した。

 今年はプロダクトロニカチャイナが3月23~25日に中国・上海で、エレクトロニカチィナが5月6~8日に中国・上海で開催される。

 ドイツ・ミュンヘンで11月15~18日、エレクトロニカの開催が予定されている。

セミコンチャイナ
急成長の中国企業が出展

セミコン

 「セミコン」はSEMIが主催し、日本のほか中国、韓国、台湾などアジアを中心に世界各地で開催されている半導体製造装置を中心とした専門展示会。

多くの来場でにぎわった「セミコンチャイナ2021」(21年3月、上海)

 「セミコンチャイナ2021」(SEMIチャイナ主催)は昨年3月17日から19日まで、上海新国際見本市会場(SNIEC)を会場に開催され、そのにぎわいが注目された。

 同展示会は毎年3月に開催されているが、20年はコロナの影響で6月に延期された。21年は3月に入場者数の制限や全員のマスク着用など、引き続きコロナ対策を徹底して開催された。

 日系企業も中国ビジネスの拡大を狙って東京エレクトロン、アルバック、キヤノンなど、多くの半導体製造関連企業が現地法人を通じて出展した。海外からはASMはじめドイツ、台湾、韓国、シンガポールの企業がパビリオンを設けた。

 中国は政府主導で半導体の内製化を進めており、大型投資が続いている。中国の半導体製造装置メーカーも日本や欧米をキャッチアップしようと猛追し、IC製造向けのエッチング装置、成膜装置やウエット洗浄装置などの大手、北方華創科技集団(NAURA Technology Group)や、5ナノメートルプロセス用の最先端ドライエッチング装置を開発しているAMEC(中微半導体設備)など急成長している企業も多い。

 北方華創科技集団はセミコンチャイナ2021に出展。このほかウエット洗浄装置、熱処理装置、リソグラフィー装置、CMP装置、イオン注入装置、検査装置メーカーなども育ってきており、同展に出展した企業も多い。

中国・華南地区対象
SMT中心の専門展示会

ネプコンアジア

 「ネプコン展」は、日本のほか中国やタイなどでも開催され、実装機関連各社は、重要なビジネスの場として積極的に出展している。中国はRXGC(リードチャイナ)が主催している。

製造業の設備投資が一気に活発化し「ネプコンアジア」(21年10月、深圳)も多くの来場でにぎわった

 「ネプコンアジア」は、「ネプコンチャイナ」(上海)と並ぶSMTを中心とした専門展示会で、毎年中国・深圳で開催されている。18年までは「ネプコンサウスチャイナ」として開催されていたが、実装機需要がアジア全域に広がっていることから名称を変更した。

 21年は当初8月に開催が予定されていたが、開催予定地の深圳をはじめ華南地区でコロナ感染が再び広がり、深圳市が会場の深圳コンベンション&エキシビションセンターの利用を停止したことから、主催者のRXGCが急きょ延期を決め、10月に深圳ワールドエキシビション&コンベンションセンター(宝安新館)で開催された。日系実装機各社はじめ、約40国・地域から1200社が出展した。

 同展示会が開催される深圳を中心とした東莞、広州など華南地区には、エレクトロニクス関連産業や自動車産業が集積している。中国経済はコロナ禍から立ち上がり、製造業においては人件費の高騰、就業者不足などで生産自動化の自動化、省人化の要求が高まっている。

 日系もFUJI、ヤマハ発動機、JUKIが現地販売会社を通じて出展し、ジャパンユニックス、サキコーポレーション、オムロン、CKDなどが代理店経由で出展した。海外実装機メーカーではASMがブースを構えた。

 韓国勢も実装機でファンファ、基板検査装置ではコーヨンテクノロジー、PARMIなどや台湾のTRIなどが出展した。

 現地企業もリフローなどのはんだ付け装置、基板検査装置など実装関連のほか、産業用ロボットなど数多く出展した。