2022.08.25 【化学材料特集】東京応化工業半導体用フォトレジストなど好調
先端フォトレジスト
東京応化工業は、半導体用フォトレジストや高純度化学薬品の販売で実績を拡大している。2022年度上期(1~6月)業績も、旺盛な半導体需要を背景に、為替効果も加わり、大幅な増収増益を計上した。通期の売上高と各利益は3期連続で過去最高となる見込みだ。
種市順昭社長は「上期は、半導体フォトレジストや高密度実装材料などがアジアを中心に好調に推移し、期初計画を上回った。直近も多忙さが続いている。下期に向けてもネガティブな要素は考えていないが、常に警戒感を持って、顧客との情報共有を図りながら営業活動を進める」と話す。
同社では22年12月期から、TOKグループ新中期計画「tok中期計画2024」(3カ年)をスタートした。新中計では①先端レジストのグローバルシェア向上②電子材料および新規分野でのコア技術の獲得/創出③高品質製品の安定供給とグループに最適な生産体制の構築④従業員エンゲージメントを向上させ人を生かす経営の推進⑤健全で効率的な経営基盤の整備-の五つの戦略を通じて成長を目指す。
今年度の設備投資では185億円の積極投資を計画している。マーケットシェア拡大のための増産投資や開発加速への投資などに充当する。
熊本新工場(熊本県菊池市)建設に年内にも着工の予定で、高純度化学薬品の最新鋭工場として整備する。半導体用フォトレジストの主力工場、郡山工場(福島県郡山市)では新検査棟を7月に竣工(しゅんこう)した。「新検査棟の本格稼働により、品質検査体制強化と生産性向上につなげる」(種市社長)。
エレクトロニクス機能材料の製品戦略として①EUVなどの微細化製品②3次元実装プロセス向けパッケージング材料③アナログ・デジタル向けレガシー製品、の3分野で拡大を図る。
「EUVレジストは好調に拡大している。一方で最近はi線やg線などへのニーズも強く、増産を進めている。当社はあらゆる種類のレジストをポートフォリオにそろえている」と種市社長。上期の半導体フォトレジストの種類別売り上げはKrF、ArF、g線+i線、EUVいずれも順調だった。
高純度化学薬品は、高品質かつ輸送の効率化の追求を強める。「今後も半導体技術が進化する中で必要な製品を提供していく」(種市社長)。