2022.10.12 【日本ロボット工業会創立50周年特集】FUJI 曽我信之会長兼社長
曽我 会長兼社長
多関節ロボットなどで世の中に貢献する企業めざす
日本のロボット産業が世界の先頭に立ち続け、今では年間1兆円の規模を超すまでに産業が発展してきた。その中にあって日本ロボット工業会が果たしてきた役割は極めて大きく、50周年は感慨深い。
当社は1970年代後半から将来の電気・電子産業の発展を見越し、電子部品自動挿入機・装着機の分野に参入した。80年代には、電子部品実装機需要が世界中で急速に高まった。84年から日本ロボット工業会の活動に参画し、その後、電子部品実装機が産業用ロボットとして広く認知されることとなった。
工業会の活動を通じて産業用ロボット業界をはじめ関連団体、省庁の方々と交流する中で多くのことを学び、幅広く事業に生かしてきた。
当社は実装機(電子部品実装ロボット)を中心としたロボットソリューション事業と、工作機械のマシンツール事業を主力に展開している。電子部品実装ロボットや多関節ロボットなど、数々の革新的・独創的な製品を世界中のお客さまに届けてきたが、当初は苦難の連続であり、それを乗り越えてこられたのも日本ロボット工業会会員の仲間としての存在が大きい。
今後ともこれまで培ってきたロボット技術を礎にして、多関節ロボット、介護支援ロボット、医療支援ロボットなどの分野においても世の中に貢献する企業でありたい。また、当社も携わる工作機械事業はロボットと親和性の高い事業であり、車の両輪としてお互いに協調して世界中のモノづくりに貢献していくのが望ましい姿だと考えている。
さて、世界中でDXの嵐が吹き荒れ、時代が大きく変わりつつある現在において、電子部品実装ロボットの果たす役割は増している。高速、高精度、耐久性、操作性、メンテナンス性能などに加えて、自動化要求のいっそうの高まりとともに、人と環境への徹底した配慮が求められている。
資源に乏しい日本の強みとして、省エネ技術、軽薄短小化技術、積み上げた製造技術による高品質なモノづくりがある。それらは、カーボンニュートラルやSDGs(持続可能な開発目標)推進において大いに役立ち、ビジネスチャンスでもある。市場の要求一つ一つに丁寧に対応していくことが私たちの課題であり、役割であると考える。
私たちの働き方やビジネスモデルも、そして習慣や価値観さえも変わろうとしている。
変化を受け入れ、時流に沿った大胆な改革を行い、当社のパーパスである「世界中の人々の心豊かな暮らしのために」まい進し、これまで以上に社会性の高い企業を目指したい。