2023.01.18 【情報通信総合特集】アイコム 中岡洋詞社長

来年60周年 理念の確立と共有など課題

 今期上半期の当社の連結業績は、163億5000万円と当初予想の14.3%増となった。四半期純利益も、当初の800%の伸びを達成。上半期売り上げについては、当社創立以来の最高額となった。もちろん、円安の効果もあったが、それだけではなく、海外市場を中心に無線機への需要が回復・拡大したこと、それに対して電子部品をはじめとする原材料の調達難という環境下においても製品の供給を相当程度維持できたことが大きな要因だ。

 今後の事業環境も危機管理意識の高まりなどもあり、底堅いと見る。したがって、通期でも売り上げ予想を10%近く上方修正した。過去最高の売上額を目指せる好機として、全社一丸で取り組む。

 また、来年はアイコムが創立60周年を迎える記念すべき年。これを「百年企業」に向けての大きなマイルストーンとなる年とするため、既にその布石を打ち始めている。60周年に達成すべき重要課題を「理念の確立と共有」「意識改革」「商機拡張」の3点と定め、それぞれに対して施策している。

 理念の確立と共有は、従来の経営理念に加え、今後の指針となる企業ビジョンを盛り込み、未来に向けた新しい中長期の経営計画を策定。関連して、当社の足跡を今後の指針とできるような形でまとめるプロジェクトも発足した。

 意識改革は、社内コミュニケーションの活性化を図り、社員の士気のさらなる向上、社風の革新を目指す。

 商機拡張というのは、シェアと売り上げを継続的に維持・向上できる基盤を確立するということ。最も重要なことは、流通チャンネルの活性化。その契機をつくる取り組みとして、国内外を問わず、現地法人や国内外の販売会社がフェースツーフェースで当社の事業の可能性や課題を共有する国際会議の準備を進める。もちろん、60周年を記念するような販売力のある新製品の構想も並行して進める。

 このように、この一年は、飛躍へのステップを整える年として取り組む。