2020.03.04 【コンデンサ特集】5G関連の需要創出に期待
コンデンサ需要の前年割れが続いている。
産業機器分野の過剰投資による在庫調整が続いていること、スマートフォンの生産台数が低調に推移していること、これまでけん引してきた自動車向けが電装化率の高まりによる搭載点数の増加傾向は継続しているものの、自動車の生産台数が前年を下回る動き。
これらに加え、中国・武漢で発生した新型肺炎が世界に広がり、経済活動が鈍っていることなどが原因だ。総体的には新型肺炎の早期終息がコンデンサ需要の回復の鍵となるが、次世代高速通信規格5G関連での需要創出に期待が寄せられる。
市場動向 自動運転・xEVなど需要支える
JEITA(電子情報技術産業協会)のグローバル出荷統計によると、コンデンサは13年以降、スマホと自動車向けを中心に出荷規模が拡大している。浮き沈みはあったものの、産業機器分野向けも市場規模を拡大してきた。
18年秋以降はスマホのハイエンド機種を中心に需要が低調。また、中国を中心に旺盛だった設備投資が減速。19年におけるコンデンサの需要は、低調な産機向けを引きずり、スマホ向けも伸び率が低下した。しかも中国や欧州における新車販売台数が前年割れし、自動車の世界販売台数も前年割れで続いている。
ただ、ADASなど、自動運転に向けた安全系を中心に機能強化による電装化率の上昇、xEVの普及などがコンデンサの需要を支えている。
米中貿易摩擦も好転の兆しが見え始めたが、新たな不安材料として新型肺炎の問題が発生。世界中に影響を及ぼし、経済活動がマヒしており、早期の終息がない限り需要の回復は厳しい情勢だ。
新たな市場で期待されるのは5G。設備投資が本格化し、基地局用コンデンサ需要が立ち上がる。5G対応端末の開発も活発化してきた。IoTに5Gがどう絡み、コンデンサ需要を創出するのかが注目される。
【コンデンサ特集】記事一覧
●5G関連の需要創出に期待
●技術動向 アルミ電解コンデンサ
●技術動向 タンタルコンデンサ
●技術動向 セラミックコンデンサ
●技術動向 フィルムコンデンサ
●技術動向 電気二重層キャパシタ
●日本ケミコン アルミ電解コン「PXQシリーズ」
●ニチコン 小形リチウムイオン二次電池「SLB」
●トーキン タンタルコンデンサ「ネオキャパシタ」