2020.03.04 【コンデンサ特集】技術動向 セラミックコンデンサ

MLCCは5G向けに0201サイズの需要に期待

MLCC、0201サイズ実用化

 セラミックコンデンサ(MLCC)は、誘電体材料としてチタン酸バリウム、酸化チタン、ジルコン酸カルシウムを使用し、銀、銅、ニッケルといった金属を電極材料として用いたもの。低誘電率系の種類Ⅰと高誘電率系の種類Ⅱに分類される。

 誘電体を単板で使用した製品と、誘電体と電極を相互に積層した構造の積層タイプのMLCCがある。特にMLCCが幅広く使用され、生産量が伸びている。

 スマホ向けなどの高密度実装分野では、1608サイズから、1005サイズ、さらに0603サイズ、0402サイズへ小型化のシフト。さらに0201サイズも実用化。基板内蔵化への対応では、厚み0.064ミリメートルの極薄MLCCが商品化している。

 大容量化は、誘電体セラミック粒子を均一に微粒子化し、薄層で多層化することが必要。既に誘電体の厚みを1マイクロメートル内外に薄くし、多層積層することで数百μFが実現されている。MLCCは、電極材料をパラジウムから、銀-パラジウム、さらにニッケルに変えることで大容量化してきた。

 現在では誘電体層、電極層ともに厚み0.8マイクロメートル以下へと進展。小型、大容量化が飛躍的に進展している。最新技術としては、0201サイズで0.1μFの大容量化を実現。5G用端末などの需要に備える。

 また、車載向けでは、業界初となる縦横反転型0510サイズ品が開発された。通常タイプのMLCCと比べて電極方向を縦横90度反転させた構造であり、電流ルートを太く短くすることで、ESLやインピーダンスを低減する。

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