2023.10.27 板金加工機の独トルンプ、プラズマ電源事業が急成長 半導体装置企業で採用拡大 新拠点開設でサポート強化

エレクトロニクス事業の方針を説明する高梨社長(右)

 板金加工機、工業用レーザー発振器の独トルンプは、エレクトロニクス事業が急成長している。主力製品のプラズマ電源が大手半導体製造装置メーカーで採用を広げている。

 27日に都内でメディア向け説明会を開催し、高梨真二郎社長が仙台市太白区にテクニカルセンターを12月に新設すると発表。サービスエンジニアを配置してローカルサポートを充実させ、国内半導体製造装置メーカーの量産支援を強化する事業方針を示した。

 プラズマ電源は要求される周波数と出力で電気を生成する装置で、太陽光パネルやディスプレーなどの表面加工処理に用いられている。

 近年、半導体市場規模の拡大に伴い急成長しているのが半導体プロセス向けの用途。ウエハーに薄い膜を形成する「成膜」のプロセスで同社プラズマ電源の採用が増えているとする。

 同社によれば、半導体前工程でプラズマ処理を行う装置メーカーのうち、「日米欧のリーディングカンパニーには当社のプラズマ電源が使われている」という。

 パワー半導体市場が急拡大する中、SiC(炭化ケイ素)向けは、新たな期待分野だ。

 高梨社長は「5年以内にマシン事業と同規模まで大きくしたい」と期待を示す。日本、グローバルともにエレクトロニクス部門を次の事業の柱にしたい考えだ。

(30日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)