2024.03.07 軌道上からAIが画像処理 三菱重工が宇宙向け物体検知機、小型衛星で25年度に実証

オンボードAI物体検知機「AIRIS」を構成するデータ処理装置(左)と地球観測カメラ(右)

 三菱重工業が、衛星画像から物体を検知するオンボードAI(人工知能)物体検知機「AIRIS(アイリス)」を開発した。次世代宇宙用MPU「SOISOC4」を活用することで、衛星上でAIを駆動する。2025年度中に小型実証衛星に搭載されて打ち上げられ、軌道上での実証を行う予定だ。

 AIRISは、AIを搭載したデータ処理装置と、東京理科大学が開発した地球観測カメラで構成。軌道上から地球上の物体を撮影し、AIが画像処理することで物体を検知する衛星搭載機器になる。従来は地上で行っていたAIによる検知処理を軌道上で行うことにより、画像から目的の物体が写っている領域だけをAIが選別して地上に送信できる。送信した画像をもとに地上で再学習したAIのデータを受信し、軌道上の搭載機器に実装したAIをアップデートも可能だ。

 これらを実証するために、地球上で航行している船舶を撮像し、画像から船舶が写っている領域のみをAIが選別して地上に送信。地上でAIを再学習させた後、データを軌道上のAIに送信することで、AIをアップデートするという一連のサイクルを確立することを目指す。

(後日電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)