2024.05.22 【次世代自動車用部品・材料特集】JFEケミカル 電池材料とフェライト分野に注力

JFEケミカルの車載向け機能性化学品

 JFEケミカルは、車載用機能性材料ビジネスの拡大に向け、①電池材料②フェライト分野を強化している。JFEグループの製鉄工程での副生品の安定調達を強みに原料から一貫生産し、高特性で高品質の製品を低コストで安定供給する。

 電池材料は、民生用を中心に負極材を長年手掛けてきた。現在は次の三つの負極材を軸に車載や蓄電のビジネスを拡大させる方針。

 ハードカーボン負極材は、独自技術で優れた出力・耐久性を持ち、国内車載向けLIBに採用され生産・販売を拡大中だ。また、次世代低コスト電池として注目されるナトリウムイオン電池向けに大容量のハードカーボンを開発している。

 ニードルコークス系負極材は、中国宝武炭業との合弁事業「烏海宝傑新能源材料有限公司」が軌道に乗り、車載や蓄電向けに拡販している。2021年末の稼働以来、順調に操業を拡大。中国・日本の車載電池用需要に対応し、生産規模拡大を検討している。天然黒鉛系負極材も車載向けの販売拡大を推進中。

 フェライトは、JFEスチール製鉄所で副生の酸化鉄を活用し、原料からの一貫生産体制を強みとしている。高純度酸化鉄の安定調達で高品質フェライトコアを安定供給する。マンガン系フェライトは日系外販メーカーでトップシェアを確保。電動車のコンバーターやインバーター向けなどを強化する。