2024.06.06 【ITサポートサービス特集】富士通コミュニケーションサービス 総合的サービス本格化 人手不足対応からDX支援まで

小池 事業部長

 富士通コミュニケーションサービスは、企業の情報システム部門が抱えている課題に寄り添い、人手不足への対応からデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援まで、総合的なサポートサービスを本格化する。コンタクトセンターの運用で長年培ってきたノウハウを生かし、ヘルプデスクだけでなく、業務プロセスの可視化と改善、導入したシステムの使いこなし支援まで、顧客と伴走して進める。

 数年来、企業と顧客との接点を改善して顧客体験価値(CX、カスタマーエクスペリエンス)を最大化するための支援を実施し、この一年はCXの実現に必要となるDXへの取り組みを強化してきた。今年度は情報システム部門の総合的な課題解決に本格的に取り組んでいく。

 コンタクトセンターで培ってきた企業内のヘルプデスク支援と、メーカーやベンダーが販売する製品のサポートなどで蓄積している知見も生かす。

 第一CXビジネス本部サービスデスク事業部の小池章良事業部長は「今の情報システム部門はIT人材不足やDX化への取り組みで課題を抱えているところが多い」と指摘。「情報システム部門が本来取り組むべきことに注力できるような支援をしていく」と話す。

 ソフトやハードベンダーと違いサービスを中心に展開する強みを生かし、既に導入しているシステムを使いこなすための支援と、情報システム部門が本来進めるべき業務を実行できる体制構築・運用支援を本格化する。

 導入済みシステムの使いこなしでは、マイクロソフト365の活用支援を加速する。「多くの企業がマイクロソフト365を導入しているが、使いこなせているところが少ない」(小池事業部長)ことから、365を全社で最適に使えるよう、伴走型で指南していく。

 大きな特徴が、365を継続的に活用して企業自身で自律的に運用できるよう支援すること。同社が社内実践で蓄積してきた365の活用事例を展開するだけでなく、ツール作成などの学習動画の制作も可能だ。

 同社内で365マイスターを認定し、より実務に直結する活用を支援していく。「今ある資産を有効活用しようというのがポイントになる」(小池事業部長)。企業の困り事を聞き、属人化した業務プロセスの可視化を一緒に進める考えで、既に数社と商談が進んでいるという。

 情報システム部門の課題解決に向けては「情シスまるごとソリューション」の展開を図る。単純な情報システム部門のアウトソーシングにとどまらず、現状の業務を可視化し整理した上で、同社が支援する領域と情報システム部門が本来行うべき領域とを切り分けて運用できるようにしていく。

 小規模な情報システム部門に対しては、同社が人材管理も含めて支援することで部門のリソースを最適化するとともに、蓄積した知見(ナレッジ)を顧客にフィードバックして部門の改善と最適化を継続させる。

 小池事業部長は「情報システム部門では目に見えないコストも多いため、当社と連携することでコストの効率化とナレッジの蓄積ができる」とみる。

 今後は医療や介護業界の支援にも取り組んでいく。富士通グループでは電子カルテシステムの導入を支援していることから、医療や介護業界向けにITサポートまで含めて支援する考えで、「地方の病院などの支援にも着手していく」(小池事業部長)。