2020.06.09 【ITサポートサービス特集】OKIクロステックHA保守サービスの適用拡大

平沼 執行役員

 OKIクロステックは20年度、長年培ってきたOKIグループのATM(現金自動預払機)保守運用ノウハウを生かしたハイアベイラビリティ(HA=高可用性)保守サービスの適用の幅を広げていくとともに、新事業領域として「医療」「エネルギー」「ロボット」の3分野のサポートサービスを加速させる。

 19年4月に音声ネットワークの施工保守、電気工事などを手がける沖ウィンテック(OWT)とATMやサーバーなどの保守運用を手がける沖電気カスタマアドテック(OCA)を統合し発足した同社。

 統合から1年が経過し両社の拠点集約や組織再編も終え、全国250拠点1400人のカスタマエンジニア(CE)のサービス網を整えた。

 平沼雄一郎・執行役員兼経営企画部長は「旧OWTと旧OCAのCEを集約し、ATMやサーバーなどのICT、PBX(構内交換機)などのネットワーク機器まで、CE部隊が一体となりサポートできるようになっている」と話す。

 20年度は統合2年目に入ることから、旧2社のノウハウを融合した付加価値の高いサポートサービスを進めていく。

 今後成長が期待できる新事業領域として「医療」「エネルギー」「ロボット」の3領域に注力するとともに、システムを止めずに遠隔で運用支援するHA保守サポートを拡大する計画だ。

 今年度からは新たに新規事業推進部とHA販売推進室を新設し、両組織が中心となり案件を獲得していく。

 他社に先駆けて取り組んでいる医療は、画像診断システムをはじめ、エコーや心電図などの計測機器、内視鏡などの光学機器など、医療機器保守認可区分の第1、第2、第5区分は全国規模で支援できる。

 平沼執行役員は「医療機関は本業を強化できるよう外部委託する動きが出てくるため、総合的にサポートできるようにしていきたい」と話す。

 エネルギーは、旧OWTが持つ電源設備施工のノウハウを生かし蓄電池なども組み合わせたビルのエネルギー管理システムの支援に取り組んでいく。

 ロボットは、メカトロ保守などで培ったノウハウなども生かしながら人との協働ロボットや自走式ロボット、コミュニケーションロボットなどのサポートに取り組む考えだ。

 新型コロナウイルスの影響で企業自体の動きが変わってくることが予想される中では、リモート(遠隔)保守も拡大させる。

 既に全国約3万6000台のATMとPBXは約9500拠点を接続したHA保守サービスの実績がある。

 「ここでの知見を生かし、対応機器の幅を広げていく」(平沼執行役員)計画で、既存機器だけでなく新規領域の機器のHA保守につなげていくほか、電話受け付けなどの一次対応の請け負いなども進めていく。

 社内のIT化も進んでおり、自社運用しているWebアシストはスマートフォンを活用した保守支援をはじめ、進捗の確認と管理などを実現している。

 今後は、この仕組みを他社にも展開するほか、機器やサービスベンダー向けの作業支援の仕組みとしても提案していく計画だ。