2025.02.20 【開発のキセキ㊦】メトロ電気工業「一人用こたつ」認知度拡大へ AI活用した新製品アイデアも

天板付きの一人用こたつ(同社提供)

1913年に電球メーカーとして創立し、こたつ用ヒーターユニットなどを手掛けている(2024年12月、東京都江東区で開催の「エコプロ2024」で撮影)1913年に電球メーカーとして創立し、こたつ用ヒーターユニットなどを手掛けている(2024年12月、東京都江東区で開催の「エコプロ2024」で撮影)

 こたつ用ヒーターユニットなどを手掛けるメトロ電気工業(愛知県安城市)は、2009年から「一人用こたつ」を製品化しており、毎年約1万台を販売している。22年は約2万5000台を売り上げ、一人用こたつの認知度をさらに高めようとさまざまな企画を進めている。

 18年に入社した商品企画課長の竹内誠さんは、企画営業室長を経て、商品企画課長に就任。一人用こたつの新商品開発や市場開拓に取り組んでいる。

 日本生活協同組合連合会や商社のEC(電子商取引)サイト、OEM(製造委託)で一人用こたつの販売に取り組む。23年からは愛知県安城市のふるさと納税の返礼品にも選定され、ふるさと納税専用サイトからも入手できる。

 竹内さんは「こたつに代わる製品がある中、一人用こたつにはなかなか目を向けてくれない」とし、価格設定の難しさも指摘する。値段も製品の価値の一つと考え、木枠や熱源といった部品を変更するなどして価格を抑える工夫を絶やさない。

 1913年に電球メーカーとして創立した同社。長い歴史を持っており、購入ユーザーは40代以降が中心。ただ、認知度拡大には伸びしろがあるとみている。

 「とがった製品、心を揺さぶるものを届けたいと考えている」と竹内さん。早ければ今年冬に、一人用こたつの進化版を発売したい考えだ。

 24年9月には、NTT DXパートナーのメーカー向け新製品プロデュース事業「架空商品モール」のワークショップを、応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」とともに実施。ワークショップで得た消費者の意見とAI(人工知能)を掛け合わせた新製品アイデアの知的財産権を取得し、製品化に向けて動いている。竹内さんは「ヒーター管にとどまらない製品」と、新たな製品開発に胸を躍らせている。