2025.07.08 【家電総合特集】掃除機 スティック型の需要が伸長 自動ごみ収集モデルに期待

家事省力化を背景に、手軽に掃除できるスティック掃除機が主流となった

 掃除機市場では、共働き世帯の増加や高齢化などにより高まる省家事ニーズを背景に、楽な掃除ができる軽量・コンパクトなコードレススティック掃除機の需要が伸びている。

 清潔ニーズも強く、汚れを見つけるとその都度サッと掃除したいというニーズにも合致している。

 コードレススティック掃除機は、近年ハイパワーな集じん性能に加え、清潔性や使い勝手の良さ、さらなる軽量化など、ユーザーの要望に応えるきめ細かな商品開発が活発だ。

 各社の新製品開発も活発で、参入メーカーも多く、メーカー間の競争も激しい。近年ではコードレススティック掃除機の中でも、ごみ捨て回数を減らせる自動ごみ収集機能付きモデルが注目されるようになっている。

 コロナ禍を経て清潔・快適志向がより高まったことで、掃除機市場ではかつて主流だった床移動型のキャニスター掃除機に変わり、ここ数年でコードレススティック掃除機が主力商品へと成長した。

 共働き世帯や高齢化、単身世帯の増加、ライフスタイルの多様化などによって、掃除機に求められるニーズも変化している。

 中でも省家事へのニーズは強く、より簡単・手軽に、汚れが気になった時にサッと掃除したいというニーズにコードレススティック掃除機は応える。

 日本電機工業会のまとめによると、24年度の出荷台数は掃除機全体では前年度比97.3%の524万4000台と2年連続のマイナスだが、スティック形は軽量化や吸引力を強化した機種がユーザーの支持を集め、掃除機全体に占める構成比は11年連続で成長し、7割に届くまでになったという。

 こうした中で、コードレススティック掃除機の商品戦略にも新たな動きが出ている。紙パック式や自動ごみ収集ドックが付いたタイプが、最近話題を集める商材だ。

 これらのタイプは、ごみ捨て回数を減らす、あるいはごみが舞い上がらずに捨てられる、といった清潔ニーズが背景にあると考えられる。

 自動ごみ収集機能がついた掃除機はパナソニックが21年10月から発売した。その後参入メーカーが増え、コードレススティック掃除機市場の中でも、今後の拡大が期待できる。

 自動ごみ収集機能搭載タイプは、ダストボックスを本体から分離し、本体をより軽量・コンパクト化できるメリットがあり、掃除の負担を減らせる。

 またドックに戻すことにより自動で充電できるため、常に掃除の準備ができている。

 さらに、スティック本体のごみ捨ては不要で、ダストボックスにためたごみはまとめて捨てることができ、ごみ捨て回数が減らせ、負担軽減や清潔志向に応えられる。

 ドック付きにとどまらず、フィルター清掃やごみ捨て時に手が汚れないなど、より清潔性を高めた商品戦略は全般的に強化されている。このほか、フローリングが増えていることから、水拭きができるスティック掃除機も関心を集めている。