2025.07.11 【電子部品技術総合特集】バイコー 西川浩二シニアアプリケーションエンジニア

西川シニアアプリケーションエンジニア

最先端半導体プロセス向けなど

25年後半に新製品投入

 バイコーは、人工知能(AI)・データセンター、産業機器、自動車、通信、航空宇宙防衛に重点を置き、技術とノウハウを生かした小型、高効率、高電力密度の電源製品を設計・供給する専業メーカーだ。

 小型・高効率・双方向変換が可能な「BCM」シリーズは、バッテリーテスターに最適で、リチウムイオン二次電池の需要増加を背景に引き合いが増えている。先端プロセス半導体製造の薄膜形成やエッチングなど前工程でも利用が広がる。

 先端後工程テスター向けにはDC/DCコンバーター「PRM/VTM」シリーズが増えている。

 2025年後半には最先端半導体プロセス向け新製品と、鉛蓄電池からリチウムイオン電池への移行に役立つ48V系の新製品を投入予定。ディスクリート構成では実現が難しい小型・高効率・高電力密度のシステム需要を取り込む。

 西川浩二シニアアプリケーションエンジニアは「電源内部に自社製の高周波化した小型コイルを入れ、独自コントロール集積回路(IC)まで自社設計する。パッケージを小さくする工夫を重ね、電力密度で他社製品の5~7倍を達成した」と話す。コンバーターの中の電圧調整と電圧変換の機能を分けて最適化する「FPA技術」を進化させ、最大効率98~99%を実現している。

 さらなる大電力装置への対応や負荷であるアンプなどの仕様に合わせた出力電圧対応、いっそうの薄型化、小型化という顧客の要望を受け、新製品開発に反映させる。

 バイコー製品の需要は他市場でも伸長。宇宙分野では低軌道衛星に搭載できる耐放射線性製品を投入する。米航空宇宙大手メーカーと開発した製品で日本でも引き合いがある。

 航空分野も防衛を含めて「新しい製品に加え、従来製品も需要が高まっており、今後も伸びていく見込みだ」(西川氏)。