2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】シナダイン 「PLUS ONE」を合言葉、顧客深耕図る

吉田 社長吉田 社長

 シナダインは、台湾をはじめ、米国、豪州などの海外半導体・光エレクトロニクス関連の特徴ある商材を提供し、事業を拡充してきた。

 2024年度決算について、吉田一社長は「顧客サイドの在庫調整が予想に反して進まず、減収減益を余儀なくされた」と説明。「現在は半導体製造装置や国内インフラ用の機械関係のパーツなどの注文が入り始めている。お客さまの在庫も残り少なくなってきたのでは」と分析する。

 通信分野は好調に推移している。テレコム(第5世代移動体)に加え、データコム(サーバー)、放送・カメラ・映像、構内ネットワークに注力。

 ほかにも医療・介護、省エネルギー・スマートグリッド、防衛、車両、鉄道、ロボット、セキュリティー、脱炭素など、成長が見込めるマーケットに力を入れる。

 「PLUS ONE」を合言葉に顧客の再分析、情報共有とリスク管理を行う。吉田社長は「『この会社はこうだ』という固定観念を払拭することが大事。老舗になればなるほど、意外な製品を開発しているケースは多い」と指摘する。顧客深耕により、前年度比2桁増の増収増益を目指す。

 人材面の強化ポイントとして、次世代幹部候補生に対する教育訓練、若手営業部員のさらなる増員、経理総務部員や営業アシスタントの増員と育成を挙げる。営業面では、次の主力取扱商品として取り組んできた液晶パネルや二次電池、産業用イーサーネットなどの量産品獲得、拡販活動の継続を重視する。

 注力商材として台湾勢ではAPAC社の通信用光トランシーバー、EtherWAN社の産業用イーサネットスイッチ、BKSTEC社のAOC(アクティブ光ケーブル)やマシンビジョン向けスクリューロック付きロングケーブル(いずれもUSB3.2〈Gen2〉)、Amt社のタッチパネル・電子ペーパーなどをそろえる。中国のLED専業メーカーLucky Lightの製品にも力を注ぐ。

 展示会に積極的に出展していく。23~25日開催の「テクノフロンティア」電源システム展、11月26~29日開催の「鉄道技術展」で商材をPRする。