2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】カナデン FA関連、ビル設備などに注力

守屋 社長守屋 社長

 カナデンはFAシステム、情通・デバイス、ビル設備、インフラの4事業を中心に日本、中国、東南アジア、成長際立つインドに展開する。

 守屋太新社長は2025年度の国内市況を「事業分野ごとにまだら模様が前年度から続く」とし顧客在庫が残るほか様子見の傾向もあるとした。

 情通・デバイスは産業機器向けがまだ動かないが空調など家庭用電気機器向けは上向く。

 FAシステムは中国の電気自動車、一般産業機械向けの一部で設備投資に回復の兆しがみられる。

 FAはインドも成長する。同国標準規格局(BIS)の認証制度強化を受け日系企業が現地生産を加速。対応を進める自動車部品や電子部品、素材メーカーと連絡し受注も獲得している。三菱電機のFA部品に加えタイの製造装置、ベトナムのIoT向けソフトを導入する。

 ビル設備は電源関係、電源、再生エネルギー、蓄電機関係が好調。空調関係は前年を上回り「ここからが勝負」(守屋氏)。

 インフラは鉄道設備のリニューアルや保守、駅ナカへの投資で需要が伸びる。商材は受変電設備の保守部品やLED照明に期待する。

 直近の大きなM&A、高島電機グループでは東北地区を強化。同社の高低圧盤、カナデンの映像管理システム(VMS)「フェイティス」などを互いに取り扱い販売を広げる。

 導入の完了した新統合基幹システム(ERP)には「慣れてきたところ」(守屋氏)で、今後受発注の自動化や人工知能(AI)と連携させた業務変革、AXにも活用し効率化も描く。

 インサイドセールスは前年度売上高が大幅増。7月に社内公募で社内研修者を増員し専門性を高め加速を図る。

 補助金ヘルプデスクも強化。非常用発電機や空調関係、産業用モーターなどに軸を置く。

 このほか、半導体の後工程技術研究などで知られる横浜国立大学に「カナデン奨学金」を設立。

 社会的貢献目的だが日本の電子産業と周辺国の技術差が縮むなか人材育成支援の狙いもある。