2025.07.29 「PCユーザーもワークステーションの世界に」 デルがAI対応の法人向け6製品
発表会で新製品を紹介する登壇者ら。湊氏(中央左)と徳山氏(中央右)
デル・テクノロジーズは、法人向け高性能PC(パソコン)「Dell Pro Max」シリーズからノートPCの6製品を新たに発売した。米エヌビディア製GPU(画像処理半導体)「RTX PRO Blackwell」を搭載し、AI(人工知能)を活用できる。エンジニアやクリエイター、AI開発者向けにワークステーションを提供する。
Dell Pro Maxシリーズは、デルのワークステーションブランド「Dell Precision」シリーズを一新した新ブランド。「Dell Pro」など他のPCブランドとの連続性を強調し、PCとワークステーションの境目をなくしたいという意図で命名した。
都内で開かれた製品発表会で、同社マーケティング統括本部でクライアント製品ブランドマーケティングのコンサルタントを務める湊真吾氏は「今までPCを使っていた人もワークステーションの世界に来てほしい」と力を込める。3月にはデスクトップを発表し、今回ノートPCの新製品を発売した。
ラインアップ全体で高いセキュリティーを持ち、人の相談に答えるWindowsの「Copilot」によるAIコンパニオンが利用できる。熱制御に優れ、演算量の増加に伴う発熱にも対応する。
エントリーモデルの「Dell Pro Max」は、14インチと16インチの2種類。同シリーズではこれまで米インテル製プロセッサーを採用しており、今回も同社の「Core Ultra H」を搭載するが、米AMDの「Ryzen AI」プロセッサー搭載のモデルも用意する。デルのマーケティング統括本部でクライアント製品ブランドマーケティングのシニア・アドバイザーを務める徳山由香利氏は「(AMDのプロセッサーを搭載したものは)価格競争力のある製品だ」と語る。
デザイン性とパフォーマンスの両立を目指した「Dell Pro Max Premium」は薄型・軽量を目指した。14インチと16インチの2種類で、インテル製「Core Ultra H」を搭載。凹凸が少なくデザイン性を追求した「ゼロラティス・キーボード」は、大型化して正確なタイピイングができるようになった。
さらに、複数の有機EL発光層を縦に積層した「タンデム有機ELディスプレイ」を採用し、高輝度と長寿命、省電力を実現。色表現などにこだわるクリエイターの要望に応えられる。湊氏は、「(Premiumでは)ユーザーエクスペリエンスや『マテリアル』感を追求した」と自信を見せる。
「Dell Pro Max Plus」は性能面で最上位のモデルで、16インチと18インチを用意。プロセッサーにはインテルの「Core Ultra HX」、GPUにはエヌビディアの「RTX PRO」シリーズで最高の「RTX PRO 5000」を搭載するなど、ラインアップの中でも性能の高さが際立つ。デスクトップ並みのパワーを冷却ファンを、三つ搭載することで可能にした。