2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】立花オーバーシーズホールディングス社 立花エレテック 人財を生かし現地対応力を強化

大里 MD大里 MD

 立花エレテックで海外事業を統括する「立花オーバーシーズホールディングス社」(TOH)は、人財を生かしながらグローバルネットワークを拡充し、現地対応力を高めている。TOHの大里昌博マネージングディレクター(MD)は「インドは今後、特に期待できる市場で、同国に新拠点を開設した」と話す。立花エレテックは2026年3月期を最終年度とする中長期経営計画「NEW C.C.J2200」で次の100年に向けた基盤づくりに注力。海外事業では拠点のローカライゼーションを進め、アジアにおける事業拡大を加速させることを重点取り組みとして営業戦略を進めてきた。さらに次の目標として2030年までCAGR(年平均成長率)8%の伸長を目指して変革を進めている状況だ。

 大里MDはこの4月に現職に着任した。これまでは日本で執行役員として半導体ビジネスに従事しており、また海外赴任の経験も持つ。「海外での経験は大いに役立っている。日本でのマネジメント経験も生かし、事業を伸ばしたい」と話す。

 TOHは、香港、上海、北京などの中国拠点に加え、アジアではシンガポール、タイ、マレーシア、台湾に事業会社を展開。各拠点で人財も強化してきた。インドについては、「経済成長率が高く、人口も多い。30年前の中国と同等の勢いを感じる。エアコンなど家電や自動車など今後の普及に期待できる。人財を増やし、今後の本格展開期に備える」(大里MD)という。

 立花エレテックは「技術商社」として展開しているが、海外も同様だ。半導体事業ではこれまで培った技術を生かし、ローカル企業向けに製品開発期間の短縮化を図れる独自ソリューションの「モーターソリューション」を提供する予定。海外FAビジネスにおいては、約30人の体制でコンポーネントビジネスに加え、エンジニアによる顧客へのシステムサポートを実施している。

 今後は新興国においてもリソースを投入しさらなる事業の拡大を目指している。

 「モノ売りから抜け出し、コトも含めた提案ができる体制を整える。技術力を生かし付加価値を提案することが大切」(大里MD)。海外拠点同士で連携も強化しており、各地域の情勢変化も敏感にとらえる。情報共有を踏まえ、いち早く対応できる体制を整える。市場の動向を見極め、ビジネスを拡大していく方針だ。