2025.09.27 ローム、独インフィニオンと協業 SiCパワーデバイスのパッケージで
インフィニオンでグリーンインダストリアルパワー事業部プレジデントを務めるピーター・バーウァー氏(左)とロームの伊野和英常務(右)
ロームは、独半導体大手のインフィニオン・テクノロジーズと、炭化ケイ素(SiC)を材料とするパワー半導体のパッケージの展開で、協力体制を築くと発表した。ロームはインフィニオンの冷却技術、インフィニオンはロームのハーフブリッジ構成の回路に関するパッケージ技術を採用する。両社が技術を共有し、互換性を高め、製品の併用や切り替えをしやすくすることを目指す。
25日の共同発表によると、次世代のパワー半導体材料として普及が進むSiCに関して協力。これを機に、SiC製パワー半導体でパッケージの共通化を進める。SiCは大電力を制御できるため、ケイ素(Si)に代わる半導体材料として注目。電気自動車(EV)などを主な用途とする。
ロームはインフィニオンが提供する、チップ上面から熱を逃がす「トップサイド冷却」に関する技術を採用する。下面にあるPCB(プリント配線)を経由しないため、設計の容易化やコスト削減、電力密度向上につながる。
インフィニオンはロームから、二つのスイッチを直列に組み合わせるハーフブリッジ構成のSiCモジュール「DOT-247」と互換性のあるパッケージ技術を取り入れる。より高い電力密度と設計の自由度に貢献する技術だ。
協業により、両社の製品の互換性が高まり、調達におけるセカンドソース体制の構築につながる。今後はSiCだけでなく、高周波パワーデバイス材料として注目される窒化ガリウム(GaN)のパッケージなど、協業を拡大する計画だ。