2025.09.30 【電波新聞75周年特集】有力店に聞く 今後の電器店 てくのハウス 京都府宇治市 牧野伸哉社長

牧野 社長

誰でも入れるような業界にしたい

 今後はデジタルツールを活用して経営者の負担を減らすことで、業務改善をしていく必要があると思っている。

 地域電器店の働き方は、アナログ的な部分が多い。デジタルツールを使った働き方改革を進めていくことで、従業員一人一人に合わせた教育の時間が作れたり、家電の知識が少ない従業員にも一定程度、仕事を任せたりできるようになる。

 デジタルツールに経営者のノウハウを落とし込んでおくことで、従業員だけでも仕事ができるようになり、将来的には事業承継もしやすくなるのではないか。

 当店では、見積もりやかわら版の作成にChatGPTなどの生成AI(人工知能)を活用している。AIを使えば、就業規則や休日の管理もできる。今後は社員教育もDX(デジタルトランスフォーメーション)化していきたい。導入部分は動画などで確認してもらうことで、伝え漏れがなくなるとともに、先輩社員は新入社員の得意不得意に合わせた教育に時間が割ける。

 これまでは、従業員を雇っても教育する時間がない、教育方法が分からないという課題があった。DX化を通じて、興味があれば誰でも入れるような業界にしていきたい。地域電器店の強みであるお客さまの家に上がって仕事ができることを生かし、地域の困り事を解決できる企業を目指したい。