2025.10.06 米TIがデジタル・リソグラフィー向け新製品 高解像度、高速処理が強み

 米テキサス・インスツルメンツ(TI)は、半導体製造で回路パターンを書き込む「リソグラフィー」について、次世代の方法を実現する「デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)」の新製品を発表した。光を制御するアナログICで、高解像度と高速処理を強みとする。

 DMDは、CMOS素子で駆動する電気信号によりマイクロミラーの傾きを切り替え、光を制御するTI独自の技術だ。「デジタル・リソグラフィー」という次世代のリソグラフィーに使われる。

 この工程では通常、露光装置とそれを回路パターンに沿って遮光部と透過部で切り分けるフォトマスクが使われるが、露光装置に光を制御するDMDを搭載することでその代わりを担う。フォトマスクのコストや導入のための期間を短縮できることが利点だ。微細なパターニングには限界があるが、3DICの伸長などで注目を集める後工程の先進パッケージングでの配線層の形成への利用が期待される。

 発表した新製品「DLP991UUV」の解像度は8.9メガピクセルを超え、ポートフォリオ内最高を実現。毎秒最大110 ギガピクセルのデータ処理性能を備える。

 現在、量産開始前の数既に提供している。