2025.10.23 メカトロテックジャパン、次世代モノづくりを視野に工作機械が一堂に
展示会では、MGシリーズに高い関心が集まった
工作機械の見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2025」(主催=ニュースダイジェスト社、愛知県機械工具商業協同組合)が22日から4日間の日程で開幕した。会場となるポートメッセなごや(名古屋市港区)には、過去最高の524社・団体が出展し、世界27カ国・地域の製品が一堂に会する。
世界経済の不透明感が増し、人手不足や脱炭素化への対応が課題となっている。一方、製造業のイノベーションが加速している。同展には、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)による自動化と省人化、省エネルギーを実現した最新鋭機とソリューションが集結した。
三菱電機がワイヤ放電加工機を紹介
三菱電機は、熟練技術者の加工ノウハウを再現できるAI技術「Maisart(マイサート)」と最新の「1プッシュテクノロジー」を搭載したワイヤ放電加工機のハイパフォーマンスモデル「MG24R」とスタンダードモデル「MG12」を展示した。
13年ぶりにメカ面も更新したMGシリーズは、「誰でも高品位で加工できる」「止まらない」「消費電力30%削減」をコンセプトに開発。加工条件の設定は不要で、誰でも簡単に安定した高精度の加工が可能だ。板厚やノズル離れ量が変化しても自動制御で高精度に加工でき、熟練工でないと難しかったコーナー精度の調整も不要となった。
さらに、スイッチをオンするだけで、既存のプログラムも人工知能(AI)対応の加工条件へ自動適応できる。また、 少ないメンテナンス回数で高い結線性能を維持できるようにし、簡素化された加工槽を用いてメンテナンスを容易にした。AIによる見守り・事前診断サービスも設け、安定稼働を後押しする。
そのほか、機械やフィルターの状態に合わせてポンプの出力を最適制御し、従来比で3割ほど消費電力を削減できるという。
ブースでは、形彫放電加工機に「半導体金型専用加工条件/回路」を搭載したモデルや金属3D(3次元)プリンター、数値制御装置、レーザー加工機のサンプルなども紹介。省人化と高品質を両立できる優位性をアピールした。
同社FA事業本部の糸谷彰規メカトロ営業統括部長は、MGシリーズを使用することで連続加工時間は6倍に伸びると説明。その上で、「熟練工が不足しているが、最先端のAIを活用し、次世代のモノづくりに生かしてもらいたい」と期待感を示した。
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進化する工作機械・加工技術の最前線に焦点を当て、順次紹介する。






