2025.11.04 NTTデータグループ、AI事業拡大へ新会社 米シリコンバレーに設立
決算会見に臨むNTTデータグループの佐々木社長(提供:同社)
NTTデータグループは4日、人工知能(AI)事業の拡大に向けて、米シリコンバレーに新会社を11月中に設立する計画を明らかにした。高度なAI人材を外部から登用し、少数精鋭のチームで新たなビジネスの創出を目指す。
急速にAIが進化する中で新会社は、最先端のスタートアップが集積する米シリコンバレーに拠点を設置する。同日に開いた2026年3月期第2四半期(25年4~9月)の決算会見で表明した。
NTTデータグループの佐々木裕社長は会見で新会社の役割に狙いついて、「グローバル水準のテクノロジーを顧客に届けるための中核機能として位置付けていきたい」と述べた。専門知識を持った人材を数十人規模で雇い、そのチームがAI技術やその実装ノウハウをNTTグループの事業会社につなげる仕組みを想定しているという。
さらに佐々木社長は、現地に構えるAI関連のベンダーやスタートアップとの連携も重視。AIが物理空間のロボットや車などを制御する「フィジカルAI」にも触れ、AIに関するさまざまなエコシステム(生態系)の形成に貢献することにも意欲を示した。
同社は5月、米オープンAIとの戦略的な業務提携を開始。日本初の販売代理店としてオープンAI関連事業で27年度末までに累計1000億円 規模の売上高を目指す。8月には、米グーグルクラウドとグローバルパートナーシップを締結。これを機に両社は、業界に特化した「AIエージェント」の開発などで連携することにしている。
4~9月期はDC譲渡益で増収増益
NTTデータグループが同日発表した4~9月期業績は、前年同期比で増収増益となった。売上高で同5.4%増の2兆3605億円を確保。営業利益は、同80.5%増の2690億円と大幅に伸びた。国内で獲得するシステム開発案件が金融分野などで大型化したことに加えて、データセンター(DC)の譲渡益が業績を押し上げた。
中でも海外セグメントの売上高は、663億円の増収を確保。DC事業やSAP事業を展開する「Global Technology and Solution Services(GTSS)」が堅調に推移し、過去最高規模の受注を獲得した。営業利益は日本セグメントが減益となったものの、不動産投資信託「NTT DC REIT」へのDCの譲渡益1295億円が全体を押し上げた。






