2025.11.06 au、信頼性で3連覇 楽天はアップロード分野独走 英オープンシグナル、日本の通信4社の体感比較
英の通信品質分析会社オープンシグナルは、日本の主要通信事業者4社(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)の通信サービスに関する最新の体感レポート「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート(2025年10月版)」を発表した。ユーザーが途切れなく通信を完了できる安定性を測定する「信頼性エクスペリエンス」分野ではauが3回連続首位となった。
調査期間は2025年7月11日~10月8日の90日間で、全国のユーザー端末から直接収集した実測データに基づき、通信速度や信頼性、動画・ゲーム体験などを多面的に評価した。
一貫した品質を示す「コンシステント・クオリティ」でもauが84.8%でトップ。ソフトバンクが約1ポイント差で追随した。楽天モバイルは「アップロード・スピード」で15.3Mbps、「5Gアップロード・スピード」で24Mbpsを記録し、いずれも2位ソフトバンクを大差で引き離す結果となった。
一方、「ダウンロード・スピード・エクスペリエンス」ではソフトバンクが55.7Mbpsで首位に立ち、前回トップのauを1Mbps差で逆転した。ドコモは「カバレッジ・エクスペリエンス」と「5Gカバレッジ・エクスペリエンス」で単独受賞し、全国的なエリアの広さを裏付けた。
地域別では、auが「ゲーム・エクスペリエンス」「5Gゲーム・エクスペリエンス」などで最多の受賞を果たした。楽天はアップロード関連で地域別首位を多く獲得し、単独20賞・共同12賞を記録した。ソフトバンクは単独16賞・共同32賞、ドコモは単独3賞・共同15賞だった。
レポートでは、都市部と地方部の間で電波到達率に差がある「デジタル格差」も指摘。政府による「デジタル田園都市国家構想」や、NTN(非地上系ネットワーク)・HAPS(成層圏通信プラットフォーム)などの新インフラ活用による改善の必要性を強調した。5Gスタンドアロン(SA)方式への移行も進展しており、楽天が商用化に向けた準備を完了しているとした。
オープンシグナルのロバート・ウィルコウスキー主席アナリストは「日本市場では『つながり続ける信頼性・高速性・広いカバレッジ』の三位一体の進化が進んでいる。各社の戦略が都市と農村の両面で体感品質向上へと結実しつつある」とコメントしている。






